バイクの個人売買で揃える書類は?手続きの方法や売買の注意点も解説
バイクを売りたいと考えている方の中には、買取業者を利用せずに個人売買でやり取りするケースも珍しくありません。慣れている方なら滞りなく手続きを進められますが、初めての方にとっては揃えるべき書類や、各種手続きのやり方が分からないことは多々あります。
当記事では、バイクの個人売買に必要な書類を「売る側・買う側」に分けて紹介するとともに、廃車手続きや名義変更といった手続きのやり方を解説します。バイクを個人売買する際の注意点も確認して、トラブルのない取引を進めましょう。
目次
バイクの個人売買に必要な書類
バイクを個人売買する際、バイクとお金をただ交換すれば終わるわけではありません。取引をスムーズかつ正式に完了させるには、書類のやり取りが必要になります。売る側と買う側で必要な書類が異なるため、それぞれ何を準備すればよいのかを把握することが大切です。
売る側に必要な書類
バイクを売る際には、車検証などの法定書類に加えて、スムーズに進めるためにいくつかの書類が必要です。排気量によって必要な書類が異なるため、自分自身がどの書類を準備すべきか把握しておきましょう。
まず、排気量にかかわらず必要となる書類は以下の3点です。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 印鑑(シヤチハタ不可)
- 自賠責保険証明書
続いて、排気量別に用意しなければならない必要書類は以下の通りです。
■必要書類
排気量:125cc以下 |
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【業者に廃車手続きを依頼する場合】
【自分で廃車手続きする場合】
|
排気量:125cc~250cc以下 |
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【業者に廃車手続きを依頼する場合】
【自分で廃車手続きする場合】
|
排気量:250cc以上 |
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【業者に廃車手続きを依頼する場合】
【自分で廃車手続きする場合】
※上記証明書の申請には、以下書類が必要
* 運輸支局で手続きする際に発行される |
譲渡証明書は、バイクの所有権が移ったことを証明する重要な書類です。運輸支局の窓口や国土交通省の公式サイトで入手し、売り手が署名捺印しなければなりません。
また、原付一種・二種の場合は廃車証明書、125cc~250ccの場合は軽自動車届出済証返納証明書がそれぞれ必要です。いずれも、役所でナンバーを返還する際に発行されます。250ccを超えるバイクの場合は、自動車検査証返納証明書が必要です。
売却前には、自動車税や軽自動車税が納税済みである納税証明書も準備しておくとよいでしょう。他者から譲渡されたバイクで名義を変更していなかった場合は、名義人の本人確認書類と委任状が必要です。
買う側に必要な書類
バイクを個人から買う側は、正式に所有権を移転し、公道で運転するためにいくつかの書類が必要です。排気量に応じて必要な書類が異なるため、買う前にどのような書類を用意しなければならないのか把握しておきましょう。
【買う側の必要書類】
- 身分証明書(運転免許証など)
- 印鑑(認印でも可)
- 住民票(3か月以内に発行)
- 軽自動車税申告書
- 標識交付申請書(125cc以下の場合)
- 軽自動車届出済証(125cc~250ccの場合)
- 手数料納付書(250cc超の場合)
- 申請書(記名押印もしくは署名が必要、代理人が届け出る場合は委任状が必要)
- 自賠責保険証明書(ナンバープレートが変更になる場合)
- ナンバープレートとその代金(変更が必要な場合)
名義変更手続きやナンバープレートの変更は、買い手の住所変更や希望ナンバーへの変更時に必要です。市区町村役場や軽自動車検査協会、運輸局で手続きを行います。名義変更を代理人が行う場合は委任状を用意しなければなりません。
バイクの個人売買の手続き
バイクを売買し譲渡するときの手続きには、廃車手続きと名義変更の2つがあります。どちらの手続きがよいかは、売り手と買い手の双方の関係性や状況によって異なります。
それぞれの手続きの特徴と大まかな流れ、注意すべきポイントについて見ていきましょう。
廃車手続きをする場合
バイクを売る際、売り手自身が廃車手続きをする必要があるのは、バイクを公道で運用しない場合や、売買契約後に買い手がすぐに乗らない場合です。原付一種・二種の売買では必ず廃車手続きを行わなければなりません。廃車手続きをすることで、旧所有者は税金や保険の支払い義務から解放され、買い手も名義変更にまつわるトラブルを避けられます。
廃車登録には「永久抹消登録」と「一時抹消登録」がありますが、個人売買の場合は一時抹消登録が一般的です。
大まかな手続きの流れは、以下の通りとなります。
【廃車手続きの流れ】
1 | 売り手が必要書類を揃える |
---|---|
2 | 売り手がナンバープレートを取り外す |
3 | 手続き場所に書類とナンバープレートを提出する |
4 | 廃車証明書を受け取る |
5 | 売り手が買い手に必要書類を渡す |
6 | 買い手が住民登録している市区町村の役所または運輸支局・自動車検査登録事務所などで書類手続きをする |
7 | 新しいナンバープレートや登録証を受け取る |
手続き場所は、125cc以下のバイクの場合は管轄の市区町村の役所、それ以上は陸運局または自動車検査登録事務所です。なお、買い手は譲渡後すぐに乗車できないため、輸送コストが発生する場合があります。
名義変更をする場合
名義変更で取引を行う場合、主に手続きを行うのは買い手です。売り手は書類を渡すだけでよく、買い手は譲渡後のバイクにそのまま乗って帰ることができます。ただし、原付一種・二種を名義変更する場合は、廃車手続きが必要です。
大まかな手続きの流れは、以下の通りとなります。
【名義変更手続きの流れ】
1 | 売り手が譲渡証明書を買い手に渡す |
---|---|
2 | 買い手が必要書類を集める |
3 | 買い手が住民登録している市区町村の役所または運輸支局・自動車検査登録事務所に書類を提出する |
4 | 新しいナンバープレートや登録証を受け取る |
買い手の手続きには、譲渡証明書や住民票、自動車検査証、印鑑などが必要です。詳細は手続きを行う役所や運輸支局によって異なるため、事前に確認しましょう。費用は排気量や変更するナンバープレートによって異なりますが、基本的には少額です。また、自賠責保険の名義も変更しなければなりません。
なお、買い手が名義変更を怠ると税金の請求が売り手に来たり、事故の際の責任問題が生じたりします。名義変更は、信頼関係のある親族や友人・知人への譲渡以外では、あまり用いられない方法です。
バイクを個人売買するときの注意点
バイクの個人売買では、思わぬ出費やトラブルが発生することもあります。予期せぬ問題に頭を悩ませないためにも、事前に注意点を押さえておきましょう。
以下では、バイクの個人売買で注意すべき点を3つ解説します。
輸送コストがかかる
バイクの個人売買では、輸送コストがかかることを念頭に置く必要があります。バイクは大型の荷物になるため、距離やシーズンによっては輸送コストが5万円を超えることも珍しくありません。また、売買サイトを通じた取引の場合、販売手数料も発生します。
輸送料金や販売手数料などを事前に確認し、売却価格に上乗せするのか、あるいは買い手との間で負担を分担するのかを明確に示しておきましょう。差し引きした金額によっては、個人売買よりもバイク買取業者を利用したほうが高額で売れるかもしれません。
クレームが入る可能性がある
売買が高額になりがちなバイクの取引では、電球切れやオイル漏れなど、細かな点でも購入者からのクレームにつながる恐れがあります。また「写真と実物の色が異なる」「車体に細かな傷や凹みがあった」など、ネットでの取引特有の問題が発生するケースも珍しくありません。
購入相手に現物を確認してもらうのが理想的ですが、お互いに遠方に住んでおりネット上で売買の取引をしている場合は難しいでしょう。安心して取引を進めるためにも、事前の準備を整え対応策をしっかりと考えておく必要があります。バイク買取業者を利用するのもおすすめの手段です。
なかなか買い手がつかない
フリマアプリやオークションを利用する場合、相場より安めの値段設定でも買い手が見つからずに売却できないことがあります。特に年式が古かったり車検が切れていたりするバイクやカスタムバイク、修理が必要なバイクは、サービス利用者の需要が低い傾向にあります。販売前には車検の更新や必要な修理を行い、商品の魅力を高める工夫が必要です。
また、そもそもアカウントに売買実績がないと、高額商品の取引は購入者の警戒心が高まり、販売に至らないケースが少なくありません。バイクの現金化を急ぐ場合は、個人売買よりもバイク買取業者への依頼が確実です。
まとめ
バイクを個人売買する際に揃える必要がある書類は、買い手と売り手の立場や売買するバイクの排気量などによって異なります。運転免許証やパスポートといった本人確認書類や印鑑は、お互いに用意しなければならないものです。
個人間でバイクを売買・譲渡する場合は、「廃車手続き」と「名義変更」の2パターンがあります。お互いにとってどちらが最適か判断した上で、取引・手続きを進めましょう。
バイクを個人売買する場合、輸送コストがかかったりクレームが入ったり、なかなか買い手が見つからなかったりといったリスクがあります。リスクを懸念する場合は、個人売買ではなくバイク買取業者に依頼することをおすすめします。
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