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このバイク、スクーターにあらず!俊足ATスポーツTMAX530【バイク買取調査隊】

ヤマハ TMAX530の車種プロフィール

スクーターではなく「オートマチックスポーツ」という独自のカテゴリーを拓いたTMAX(XP500)がモデルチェンジした2013年に登場。先代からボアを2mm拡大して530ccの排気量を得た並列2気筒エンジンと、新設計の無段変速機(CVT)との組み合わせによって200kgを超える車体を軽快に加速させた。登場時は標準仕様のTMAX530と、ABSを装備したTMAX530ABS、特別仕様のブラックマックスの3バリエーションで展開された。

バイクインプレ

車両の特徴

ヤマハ独自のCFダイキャスト製法による極太のアルミフレームのほぼ中央にエンジンを搭載。これにより車体の低重心化と、前後重量配分の適正化などを追求している。
先代モデルとの違いは駆動方式。
先代はチェーンを2段がけして後輪を駆動させる複雑な形式をとっていたが、530には軽量かつシンプルなベルトドライブ方式が採用されている。

ユーティリティも充実。
パーキングブレーキや、フロント側に2つの小物入れ(1つは施錠可)を備える。シート下スペースは35Lの大容量で、通勤や通学などのバッグ、アタッシュケースなどを余裕で収納可能。

なおシートはスポーツ性を重視した荷重しやすい硬めのもので、高さも800mmと高めの設定となっている。

エンジン

エンジンは先代から500cc→530ccに拡大。最大出力は48ps、最大トルクは53N・m。シリンダーをほぼ水平近くまで寝かせて車体の低重心化を図っている。

また、シリンダーと対向する形でピストン型のバランサーを駆動させ、エンジンの不快な振動を打ち消す機構も持っている。

足回り

排気量の拡大に伴って前後ブレーキも強化。フロントは267mmダブルディスクブレーキ、リヤは282mmシングルディスクブレーキとなっている。
また、リヤのスイングアームも大幅に改良されており、リヤまわりのバネ下重量は3.5kg減と大幅に軽量化されている。

タイヤは、前後15インチホイールにフロント120mm幅、リヤ160mmのラジアルタイヤを装着している。

走り

530ccエンジンには十分なパワーがあり、とくにCVTの味付けが優秀。
通常、ビッグスクーターはエンジンと後輪の間にCVTが介在するため、アクセルを大きく開けてもエンジンの回転上昇を待ってから後輪にパワーが伝わるフィーリングになりやすい。
ところがTMAX530は回転上昇が始まる瞬間と、後輪にパワーがかかる瞬間がほぼ同時で、右手とリヤタイヤが直結されたかのようなダイレクト感がある。

乗り心地は直線安定性にすぐれ、横風の影響を受けにくい頼もしさをもつ。エンジンの振動を低減させるバランサーを搭載しているが、振動を完全にキャンセルしているというよりもゴリゴリとしたトルク感を残したフィーリングだ。

ワインディングでは、前後足まわりのロードホールディングの良さが光る。通常のビッグスクーターはユニットスイング式のためにリヤのバネ下が重くなり、落ち着きのない動きになりがちだがTMAX530にはそれがない。
ハンドリングも良好で、車体を傾けてアクセルを開けたときにイン側へ回り込むような特性になっている。

エンジン、足回り、ユーティリティ、どれをとっても日常の使用において何ら不足のない機能を備えていることがTMAX530の魅力だといえる。

査定士のコメント

モトメガネ編集部

TMAX530の初代モデルは2013年に登場していることもあり、2023年現在ではすでに10年前のモデルということになる。発売当時はABSの無いモデルがもっとも販売価格が安く、税込みで96万6000円だった。まだまだ現役で使える俊足マシンなだけに、高年式で低走行、外装もきれいな状態なら高価買取が期待できる。

※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります

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