
現役査定士が教える「バイク査定で見ているポイント」とは?
バイクの売却を考えているなら「できるだけ高く売りたい」と思うのは当然のことですが、準備不足のまま査定に臨むと、本来の価値より低い金額で手放すことになってしまうケースも少なくありません。
そこで今回は、バイク買取店「GAS BASE(ガスベース)」を運営する株式会社re force collectionの阿部さんに、査定額を左右する要素や売却前にやっておくべきことなど、査定の裏側と知っておきたいポイントを詳しく伺いました。
プロが現場でチェックする5つの査定ポイント

阿部さんによると、査定士が確認するポイントは大きく分けて5つあるといいます。
「まず1つ目は、車体がきれいに保たれているか、サビや塗装の剥げがないかといった外観のコンディションです。
2つ目は、エンジンなど機関部分の状態です。機関部分の異常は内部トラブルや修復コストに直結する重要な要素となるため、エンジンからガチャガチャとした異音が発生していないかなども確認します。
3つ目は走行距離です。一般的な基準としては3万kmがひとつの境目になることが多く、距離が短いものほど状態がよいと評価されやすいため、3万kmを超えると査定額が下がりやすくなる傾向があります。スクーターなどの小型車両の場合は、1万kmがひとつの目安となっています。
4つ目はカラーリングや限定モデルかどうかです。バイクも自動車と同様に白や黒といった定番カラーの需要が高いほか、たとえばスーパーカブに設定されていたハローキティモデルや『天気の子』モデルなど、限定モデルは査定額が高くなりやすい傾向があります。
そして5つ目は保管場所・保管環境です。保管環境は車体の傷や凹みから推測できる部分もありますが、実際の査定時にお客様へ直接確認させていただいています」

また、阿部さんは見落としがちな細部の状態や事前の準備についても、注意を促します。



「こうした主要なポイントにくわえ、転倒によってストッパーが欠けたり凹んだりすると左右でハンドルの切れ角が変わってしまうため、ハンドルストッパーの状態など細かな部分も注意して見ています。
なお、最近のバイクはエンジンをかけないとメーターに走行距離が表示されないモデルがほとんどですので、エンジンを掛けられる状態にして査定に出していただけると、走行距離が正確に確認できて査定額にもよい影響が出やすくなるかと思います」
査定額アップのためには写真撮影もポイントに! 最低15枚以上あると吉


査定というと車両のコンディションに目が向きがちですが、写真を使った査定においては、準備や撮影の状態が査定結果を左右することも少なくないといいます。どのような写真を撮影すればよいのか、詳しいアドバイスをいただきました。
「フラッシュを使用するとボディに光が反射して傷が見えなくなってしまうため、基本的にフラッシュを焚かず、自然光や灯りなどの明るい場所のもと、高画質で撮影していただくのが基本となります。
また、バイク全体を撮影する際はご自身の目線から上角度で撮られる方お客様も多いのですが、各パーツの状態が見やすいように車体の真横や前後がしっかり映るよう高さを合わせ、画角に収めていただく必要があります」
車体全体は、車体と並行の高さ/角度から撮影するのがポイント




さらに、阿部さんは撮影枚数や特定のパーツにも注目してほしいと話します。
「写真は枚数が多くなるほど売却への意識が高いと受け取れますし状態の判断もしやすいため、前後や左右の側面にくわえて細部も含め最低15枚以上あると助かります。
細かな傷まで隠さず写真に収めていただくと、車体を大切に所有されてきた印象を受けるとともに、こちらでも傷の度合いを正確に把握できて査定額にプラスに働くことがあるためです。
また、サスペンションにサビがあると伸縮時にゴムパッキンを傷めてオイル漏れの原因になるため、サビの有無がわかる写真は必ず撮影していただきたいですね」




重要になるとされています

「同様に、乗っていない車両などで結露によるサビが出やすい燃料タンク内部も、写真が撮れる状態であればぜひ収めていただきたいポイントとなります。
また、名義変更ができなくなるリスクを防ぐため車台番号が鮮明に打刻されているか確認するほか、過去の走行距離の履歴を追うためにメーターや小型二輪の車検証の記載内容も確認しています」
傷の自主補修はNG! カスタムパーツ・売却時期のポイントも聞いてみた

さらに売却前に傷を直すべきか、あるいはカスタムパーツが査定額にどう影響するのかという点についても詳しく伺いました。
「ご自身での修理は見た目で分かりやすく、かえって車体の価値を下げてしまう可能性があるため、あえて傷を残したまま査定にお出しいただくのがおすすめです。
また、カスタムバイクの場合はカスタム内容そのものというよりも、ブランドやメーカーによって評価が高くなります。
ただし、取り外したノーマルパーツが手元に揃っているかどうかによって査定額に1万円から10万円ほど差が出ることもあるので、ノーマルパーツは売却時まで大切に保管しておくことをおすすめします。

また、リアケースやパニアケースなどの装備もついていたほうが高値がつきやすく、ボックス単体での販売にくわえ海外市場でも実用面で重宝されるためプラスの要因となる場合がほとんどで、特にケースが標準装備されているモデルはケースが残っている状態であれば高く買い取りやすくなります。
なお、ETC車載器につきましては装着されていても問題ありませんが、査定額に大きなプラスとして反映されるケースは少なくなっています」
売却時期と相場変動の関係は?
最後に、売却時期と相場変動の関係についても伺いました。
「売却の時期に関して季節による影響はそれほど大きくありませんが、二輪業界の中で一時的に高く取引される車種や特需といったものは存在します。
たとえば、新発売されたばかりのモデルなどは注目度も高く、一時的に査定額が高くなりやすい傾向があります。
また、最近店舗での販売数が伸びているような需要の高い車種についても、査定額が上がりやすくなるので、ご自身のバイクの需要がどうなっているか一度相談いただけるとよいかもしれません」
まとめ
今回の取材を通じ、バイクの査定額には単純な外観の状態や走行距離だけでなく、保管環境や写真撮影のポイント、パーツの保管状況などが大きく関わっていることがわかりました。
そして、阿部さんは最後にこう話してくれました。
「査定前の事前準備ひとつで結果が変わる場面は多くありますので、わからないことや不安な点があれば、査定前でも気軽に相談していただければと思います」








