バイクの税金が未納でも、売却することはできる?
バイクにはいくつかの税金が課せられるものですが、バイクの売却時に税金未納の場合はどうなるのでしょうか?
今回はバイクの税金が未納の状態で売却が可能なのかどうかをご紹介します。
目次
自動車の場合、納税されていることが確認できないと売却できない
税金未納のバイクが売却できるかを説明する前に、まずはクルマの場合をご紹介します。
クルマに関する税金は次の3種類であり、所有者や自動車自体に課せられています。
・自動車税(軽自動車以外)
・軽自動車税(軽自動車のみ)
・自動車重量税
このうち、自動車重量税は車検の際に一緒に支払う税金ですので、車検が通っていれば未納ということはありません。
一方で、自動車税や軽自動車税は自動車の所有者に課せられる税金で、毎年4月1日に自動車を所有している人に納税義務が発生します。
納税書自体は5月頃に送付されるので若干タイムラグがありますが、納税自体は5月末までと決められています。
納税が完了すると「自動車納税証明書」が発行されて納税したことが証明されるのですが、クルマの売却の際には必ずこの自動車納税証明書の提示を店側から求められます。
納税の完了していない自動車は名義変更が出来ませんし、元のユーザーが支払いの滞納を続けると差し押さえされる可能性があるため、店側も税金未納の車は買い取りは拒否します。
もし、納税は完了していて自動車納税証明書を紛失してしまった場合には再発行手続きができるため、自動車の売却時には必ず揃えましょう。
このように、自動車の場合には売却に大きく影響する税金の未納ですが、バイクの場合には状況が変わります。
税金が未納でも、売却することは可能(名義変更に納税証明書が必須なわけではないため)
バイクの売却の際には税金が未納の状態でも売却自体は可能で、名義変更も可能です。
バイクに課税される税金には次の2つがあり、自動車と一部同じような種類の税金です。
・軽自動車税
・自動車重量税
自動車重量税に関しては、新車登録時に1度だけ払う、あるいはクルマと同じく車検の際に納税するものなので、基本的に未納ということはありません。
軽自動車税はバイクを毎年4月1日に所有している人に納税義務のある税金で、自動車の自動車税や軽自動車税と基本的には同種類の税金です。
バイクでも軽自動車税を納税すれば納税証明書を入手できますので、こちらを売却時に提示すればスムーズに進みます。
しかし、バイクの場合には売却や名義変更の際には納税証明書の提示が不要な為、軽自動車税が未納の状態でも売却は可能です。
特に税金が未納でも名義変更できるという点が自動車の場合と大きく違うところで、バイクの買取業者も納税証明書は求めてこない場合がほとんどです。
そのため、バイクを売却して手に入れたお金を元手に未納だった分の税金を納める、ということも可能です。
ですが、バイクの売却と納税義務は別の問題であり、未納の軽自動車税は必ず支払わなければなりません。
手放せば納税義務がなくなるわけではない
バイクの軽自動車税は4月1日にバイクを所持していた人に対して課税されるので、たとえバイクを売却して手元にない場合にも課税義務自体は元の所有者に残っています。
バイクの軽自動車税は次のように定められており、かなり安価に設定されています。
排気量 | 軽自動車税(年額) | |
原動機付自転車(第一種) | 50cc以下 | 2,000円 |
原動機付自転車(第二種) | 50cc〜90cc以下 | 2,000円 |
90cc〜125cc以下 | 2,400円 | |
軽二輪車 | 125cc〜250cc以下 | 3,600円 |
小型二輪車 | 250cc超 | 6,000円 |
未納の軽自動車税は速やかな納税義務がありますが、もし滞納を続けていると次のような問題が発生します。
滞納した日数に応じて延滞金が必要になる(令和5年時点での延滞金を確認)
バイクの軽自動車税の納付を滞納している期間中、日数に応じて延滞金が発生しています。
軽自動車税の延滞金には計算式が定められており、延滞してから1ヶ月以内とそれ以降で割合が大きく変わります。
延滞金計算式 | |
延滞1ヶ月以内 | 税額×2.4%×日数/365(日数は期限翌日から1ヶ月以内) |
延滞1ヶ月以降 | 税額×8,7%×日数/365(日数は期限1ヶ月後から納付までの期間) |
つまり延滞1ヶ月以内に速やかに支払えば延滞金も少なく済みますが、1ヶ月以上経過すると急に3倍以上になるわけです。
バイクの場合にはもともとの税額が数千円と金額的には高くないため、延滞金の金額も1日あたり数円と少ないですが、金額が安いからといって長期間放置すると次の対応を取られます。
未納の税金がある場合には督促状がくるほか、財産を差し押さえられる場合も
もしバイクの軽自動車税を長期に渡って滞納していると、そのうち税金を監督する市区町村などの自治体から督促状が送られてきます。
督促状には滞納の状況や日数と一緒に払込用の用紙が同封されており、用紙に記載された納付期限までに所定の金額を納めれば納税義務を完了します。
ただし支払い完了の情報が自治体に届くまでにはタイムラグがありますので、ギリギリに支払いをすると行き違いが起こって督促状がまた送付されることもあるようです。
ですが自治体で支払いが確認されればそれ以降に督促状は届かなくなりますので、2度納付する必要はありません。
そしてもし督促状が何度も届いても無視して滞納を続けた場合には、財産の差し押さえなど強力な処置に発展してしまいます。
自動車の場合には売却できない車がそのまま手元に残っているはずなので、財産の差し押さえはその自動車になることがほとんどですが、バイクの場合には既にバイク自体を売却してしまって手元にないこともありえます。
その際には預貯金や給与、家財道具などが差し押さえされることになり、その状態になったら財産や預金などを調査され財務状況が把握されます。
差し押さえのときには「差し押さえ予告通知書」が送られますが、そこに至るまでに督促状や催告書などの書類が何度も送られていますので、言い逃れは出来ないでしょう。
差し押さえは最終手段であり拒否権はありませんので、予告通知書が送られてきたときには覚悟が必要です。
バイク売却後にも還付はされない
最後にバイクの軽自動車税の還付についてもご紹介しますが、バイクの軽自動車税の場合には売却後の還付はありません。
クルマの場合には自動車税は毎年5月中には1年分を支払い完了していますが、年の途中にクルマを売却したときには1年の残りの期間分の自動車税は日割りで還付されます。
自動車税は金額も数万円と大きいので還付額も意外と大きな金額になり、予想外の収入となって喜ぶことがあります。
しかしバイクの軽自動車税の場合には1年分の支払い制度になっており、バイクを売却した後の期間分を還付する制度がありませんので支払ったらそのままということです。
まとめ
バイクには所有し続ける限り軽自動車税の支払い義務があり、バイクの所有者に対して毎年納付の通知が送られてきます。
通知が来たら支払期限までに納付する義務がありますが、もし支払いを滞納してしまっている場合にもバイクの売却自体は可能となっています。
しかし滞納した税金はバイクが手元にない状態でも支払い義務は残りますので、延滞金が増えたり財産の差し押さえに発展しないよう速やかに納付しましょう。