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買取・売却

家族のバイクを勝手に売却!これって大丈夫なの?

家族の私物やコレクションを勝手に売却・処分しトラブルになる事例がたびたびありますが、バイクについてもこれは起こりうるのか、疑問に思ったことがある人も多いでしょう。

本記事では家族のバイクを売却する際の方法・手続き・必要なものなどについて、刑法・民法などの法律ルールもおさえたうえで解説していきます。

家族名義のバイクを勝手に売却することは不可能

家族名義のバイクを勝手に売却することは、バイク所有者の所有権を侵害する不法行為であるので、基本的に不可能です。

所有権とは、民法で次のように定められています。

第206条

所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

かんたんに言うと、バイクの所有者は法律にしたがって自由にバイクを使ったり手放したりできると言うことです。

所有権にある使用、収益及び処分について、バイクの場合は「使用=バイクに乗ること」、「収益=バイクをレンタルして収益を得ること」、「処分=バイクを売却すること」です。

では、どういった場合に家族名義のバイクを売却することができるのか?についてですが、バイク所有者である家族の承認・協力が得られると比較的スムーズに売却できます。

家族の承認・協力とは、委任状の作成、バイク業者から売却確認の電話に応じるなどの行為をバイクの所有者である家族が自ら進んですることです。

また、買取業者によっては、名義変更・委任状など不要で売却することも可能な場合もあるので、手続きについては事前によく確認しておくと、無駄な時間・コストをかけなくて済むでしょう。

名義変更・委任状などがいらないケースとは、親子・夫婦間などで身分証明確認・書類作成などのかんたんな手続きでバイクの売却がスムーズにできることです。

委任状を作成して家族のバイクを売却する手続きについては、後半で解説していきます。

窃盗罪や横領罪になるものの、親族相盗例によって処罰されることはない

家族のバイクを勝手に売ることは窃盗罪や横領罪になる許されない行為ですが、親族相盗例という決まりがあるため、刑法に基づいて処罰されることはありません。

親族相盗例(しんぞくそうとうれい)とは、刑法で規定された特例で親族間で起きた財産犯罪(窃盗罪・横領罪など)については刑罰を免除することを言います。

 刑法第244条「親族間の犯罪に関する特例」には、

配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

と定められており、所有者本人からみて配偶者・直系家族(祖父母・父母・子・孫など)・同居の親族(6親等内の血族と3親等内の姻族)の親族関係にある者に対して適用されます。

親族相盗例が適用される刑法上の犯罪は次の表のとおりです。

罪名刑法罪を構成する要件
窃盗罪刑法235条他人の財物を窃取すること
不動産侵奪罪刑法235条の2他人の不動産を侵奪すること
詐欺罪刑法246条相手が財物を交付したくなる意思を起こさせる詐欺行為をし、相手を錯誤に陥らせ、財物を交付させること
電子計算機使用詐欺罪刑法246条の2パソコンなどを使って財産上不法の利益を得ること
背任罪刑法247条会社などに対して任務に背く行為をすることで損害を発生させること
準詐欺罪刑法248条未成年者の無知さや、人の心神耗弱を利用して財物・財産上の利益を得ること
恐喝罪刑法249条他人を怖がらせる暴行・脅迫などで財産上の要求をすること
上記7罪の未遂罪刑法243条・刑法250条上記行為を実行するも結果が伴わないこと
単純横領罪  刑法第252条自己が占有する他人の物を売却・贈与・質入れor金銭などの使い込みをすること
業務上横領罪刑法第253条仕事上、倉庫で預かっていた品物などを売却すること
遺失物等横領罪刑法第254条道端にあった放置自転車を警察に届けることなく乗ること注)盗難自転車であっても、放置場所が盗まれた場所と違う場合は本罪が摘要される

ただし親族相盗例については刑法上に限った例外措置であるため、民法上の賠償責任まで免除される規定ではありません。

家族名義のバイクを売却する時に必要なものとは

ただし正式な手続きに基づき、同意を得た上で(故人のバイクなどの場合は同意なしでも)家族名義のバイクを売却することは可能です。

家族名義のバイクを売却する時に必要なモノは次の9点です。

  1. 車検証(250cc以上のバイクのみ)
  2. 自賠責保険証明書
  3. 自動車納税証明書
  4. リサイクル券
  5. 印鑑登録証明書
  6. 譲渡証明書(実印を押印したもの)
  7. 委任状(実印を押印したもの)
  8. 印鑑
  9. 身分証明書

譲渡証明書・委任状などはネットに様式・記載例などもあるので、参考にして事前に作成可能ですが、陸運支局にも準備されてあるので、忘れた場合は窓口で尋ねましょう。

また「死亡した家族のバイクを売却する」・「家族が認知症などで代理人(委任状)などの手続きを判断する能力がない」場合は次のケース別に追加の書類・手続きなどが必要です。

死亡した家族のバイクを売却する場合

バイクを登録している管轄陸運局に行き、移転登録手続きをすればバイクを売却可能です。

バイクの移転登録には、遺産分割協議書・印鑑証明書(相続人全員分)・戸籍謄本(被相続人|死亡した家族との血縁関係がわかるもの)が必要です。

バイクの移転登録手続きは、陸運支局に行けば持参書類を窓口の職員がチェックし、記載の仕方なども丁寧に教えてくれます。

家族が認知症などで代理人(委任状)などの手続きを判断する能力がない場合

この場合、認知症などになった家族の「成年後見人」を立てる必要があり、最寄りの家庭裁判所で申し立て手続きが可能です。

成年後見人とは、知的障害・精神障害・認知症などによってひとりで決めることが心配な人の契約・手続きなどを支援する人を言います。

まとめ

家族のバイクを勝手に売却!これって大丈夫なの?について、本記事では法的な根拠・ケース別に用意する書類・注意点などを解説しました。

バイクを売却するにも業者買取・個人売買・廃車手続きなど複数の方法がありますので、処分する方法をまず検討したうえで、ルールに従ってバイクを売却しましょう。

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