
バイクの手続きでよく聞く「運輸支局」ってなに?
バイクの名義変更や廃車、住所変更といった行政手続きを行う際、「運輸支局へ行く必要があります」という案内を目にすることがあります。
とはいえ、普段あまり関わることのない施設であるため、どのような役割を持ち、どんな手続きができる場所なのかを正確に理解している人は多くありません。
では、運輸支局とはどのような場所なのでしょうか。
陸海の乗り物を管理する「運輸局」

バイクの手続きを語るうえで欠かせない存在が「運輸支局」です。
これらは国土交通省の地方機関として設置されており、地域の交通を安全かつ円滑に運用するための業務を幅広く担っています。
運輸局、運輸支局とは
運輸局は国土交通省の地方支分部局のひとつであり、陸と海の交通に関する行政を総合的に管理しています。
主な業務内容としては、バスやタクシー事業の許認可、トラック事業者の監査、船舶の登録や海上運送の許可、船員の労務管理など、地域の交通を構成する幅広い分野に対して、法令に基づく監督や審査を行っています。
そして、その運輸局の支局として置かれているのが運輸支局であり、自動車やオートバイなど陸上の車両に対する登録、検査、整備基準の確認といった業務を担当します。
運輸支局は私たちが日常的に利用する車両にもっとも身近な行政窓口であり、バイクの所有者にとっても重要な手続きの拠点となります。
運輸局や運輸支局でできるバイクの手続き
バイクに関して運輸支局が行う業務は、登録、整備、検査、保安に関わるものが中心となります。
250㏄を超えるバイクは車検制度の適用対象であるため、購入後の登録、名義変更、車検の継続検査、住所変更、廃車手続きなどの重要な事務は運輸支局で行われます。
たとえば、車検では、法令に定められた基準に適合しているかどうかを検査ラインで確認し、安全性が確保されていると判断された車両に対して新しい車検証が交付されます。
また、名義変更や廃車の際には所有者情報や使用者情報を正確に更新するための登録事務が行われ、これらの情報を国が適切に管理することで、安全な交通環境が保たれています。
このほか、運輸支局は、整備に関する基準や各種証明書の発行、検査記録の管理など、車両の状態を公的に証明する役割も果たしています。
軽自動車税は市区町村の管轄
バイクにかかわる手続きのうち、軽自動車税は市区町村での手続きが必要です。
これは、課税主体が市区町村であるためで、例えば税止めなどの手続きを行う必要があります。
排気量によって異なる?バイクの手続きをする場所

上述のように、250ccを超える排気量を持つバイクは、多くの手続きを運輸支局で行うことになります。
では、250cc以下のバイク、たとえば軽二輪や原付などは、どのような場所で手続きをする必要があるのでしょうか。
250cc以下のバイクで市区町村が行う主な手続き
実は、250㏄以下のバイクには車検制度がないため、登録や廃車、住所変更といった事務は市区町村が担当します。
市区町村では、軽二輪や原付の新規登録、廃車、住所変更、ナンバープレートの再交付など、車両の標識管理に関する事務が中心となります。
新規登録では標識交付申請書に必要事項を記入し、販売証明書や譲渡証明書を提出することでナンバープレートが発行されます。
廃車手続きでは、廃車申告書を提出し、ナンバープレートを返納することで登録が抹消されます。住所変更の際には、標識交付証明書に基づいて台帳の情報が書き替えられます。
市区町村では、譲渡の状況や車両の状態によって必要となる書類が細かく分かれている点も特徴です。
たとえば、他市区町村から転入した車両の場合は、以前の自治体で発行された廃車証明書が必要になります。
このように、250cc以下のバイクは、多くの手続きを市区町村の役場で手続きができます。
まとめ
運輸支局は、車両の登録や検査をはじめとした交通行政を担う施設であり、車検のあるバイクにとって欠かせない窓口です。
一方、250㏄以下のバイクや原付は市区町村が手続きを担当しており、ナンバープレートの交付や廃車、住所変更などの業務が行われています。
手続き先が排気量によって異なる仕組みは複雑に見えますが、車検の有無を軸にした分類に基づいています。
そのため、バイクを売却したり所有者が変わる場面では、どの窓口で何を行うべきかを理解しておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。








