まったく動かない「不動車」のバイクでも売却することは可能?
バイクは手軽に使える乗り物として便利ですが、突然のトラブルや長期間の放置によってバイクが動かなくなってしまうケースもあります。
動かせる状態にないバイクを「不動車」と呼びますが、今回は不動車でも売却が可能なのかどうかをご説明します。
バイクが動かなくなってしまうケース
バイクは通勤や通学で毎日乗っていれば、なかなか壊れることはない乗り物ですが、実際にはいろいろな理由で不動車になってしまうことがあります。
不動車は、簡単に言えば「走行できない状態のバイク」のことです。
例えば後述するトラブルや故障などによって物理的に不動車となっている場合もありますが、その他に車検切れや廃車による不動車というのもあります。
車検が切れているだけであり、機関にトラブルがない場合は、改めて手続きを行えば不動車ではなくなります。
しかし多くの場合、バイクが不動車になってしまう原因は、トラブルや故障などバイク自体の問題によるものですので、不動車になってしまう原因について解説します。
長期間の放置
不動車になってしまう原因でもっとも多いのは、バイクを長期間動かさずに放置してしまったことです。
バイクを日常的な買物や通勤、通学などで使っていると長期間放置することはほとんどありません。
しかし車を新たに買ったことでバイクに乗る頻度が少なくなったり、急な出張や留学、入院などでバイクに触れられなくなると、バイクを長期間放置することになります。
またもともと趣味の為にバイクに乗っている方などは、乗れても週に1、2度、なにか事情があって乗れないと何週間、何ヶ月もガレージに置きっぱなしということもあるでしょう。
こういった状態になるとバイクを長期間放置してしまうことになり不動車になる場合が多いのですが、放置された期間が長ければ長いほど不動車になる可能性は高くなります。
長期間放置されたバイクでまず問題となるポイントはバッテリーであることが多く、エンジンもかけずに放置されたバイクはバッテリーが自然放電してしまってバッテリーあがりの状態となるので、エンジンがかからずに不動車になっています。
この場合はバッテリーを新しいものに交換すれば再度始動することがありますが、あまり放置された期間が長いとバッテリー以外の電装品が経年劣化やサビの発生によって動かなくなる場合があります。
このようなトラブルは、特に年式の古いバイクで起こりやすい傾向があります。
さらにエンジンがかからない場合には燃料系に問題があることもあり、キャブレター内のガソリンが劣化してキャブレターが正常な動作をしないことや、燃料タンク内にサビや水が溜まってしまって正常に燃料が供給されないこともあります。
長期間放置されたことでのトラブルは、ガレージなどで保管した場合よりも屋外の過酷な環境で放置された時のほうが発生しやすいもの。
また、屋外に保管する場合はカバーなどを掛けておいたほうが比較的良い状態を保てるでしょう。
しかし、いくらガレージで大事に保管していても、長期間放置されていれば不動車になる可能性は高くなってしまいます。
一方、保管中にバッテリーを取り外すなど、適切なメンテナンスをしていれば不動車にはなりにくいです。
エンジントラブルなどの故障
バイクが不動車になってしまう原因は、前述のバッテリーなどのほかにエンジン本体の故障の可能性もあります。
バイクの構成部品の中で最も複雑なのは心臓部とも言えるエンジンで、数千点〜一万点もの細かな部品が組み合わさって出来ています。
エンジンはバイクに限らず稼働している間は比較的トラブルの少ない機械であり、特に信頼性の高い国産バイクのエンジンの場合、無理な使い方をしない限りは長い期間良い状態で使い続けることができます。
しかし、一度長期間放置されるとエンジン内部ではさまざまな変化が起こって不動になることがあります。
バイクが不動になってしまうようなエンジン内部の変化として、まず考えられるのはエンジンオイルの劣化です。
エンジンオイルはエンジン内部で潤滑や冷却などさまざまな役割を果たしている重要なオイルですが、長期間放置されてしまうとオイルの成分が変化して粘度が増加したり、汚れや水分を含有したりして正常な役割を果たせなくなります。
その状態でエンジンをかけようとしても動かず、重大な故障を引き起こしてしまうことも。
長期間放置されたエンジンを再始動したいときにはまずエンジンオイルを新しいものに交換することが必要です。
またエンジンオイル以外でも長期間放置されたエンジン内部ではサビの発生、部品同士の固着、燃料系や冷却系の不具合など多くの変化があるので、エンジンが正常にかからないときには重大なトラブルを抱えていると思ったほうがよいでしょう。
長期間放置されたあとのエンジンは、たとえ一度エンジンがかかってもすぐに調子が悪くなったり故障を引き起こしたりするので、可能であればオーバーホールなどの整備を受けたほうが安心です。
多くの業者が不動車でも買取をおこなっている
バイクが不動車になってしまうと、売却するのが難しいようにも思えますが、実際には不動車でも買取を行ってくれる業者は数多くあります。
バイクを売却するときには当然のことながらバイクが動いているのが前提であり、バイクの買取査定を行う際にはバイクの状態を確かめて値段が決まります。
その際にバイクが動かない、エンジンがかからないといった状態では正常な状態とは言えないので、買取業者によっては買取不可との判断が出ることもあります。
しかし最近では不動車でも積極的に買取を行っている業者が増えてきており、TV CMやネット広告などでも「不動車買取OK」と謳っている業者も多く見かけます。
当然正常に動いているバイクと比べると買取価格は下がってしまいますが、動かないまま放置したり廃棄処分にするよりはかなり良いでしょう。
不動車の売却なら、一括査定がおすすめ
不動車を買取業者に売却する場合、不動車買取を行える業者に一括査定を依頼するのが便利です。
一括査定とはバイクの買取査定を複数の業者にまとめて依頼することで、専用の一括査定サイトを通してインターネット経由で10社〜20社以上にまとめて査定してもらえます。
特に、不動車の場合には買取不可の業者も少なからずありますので、買取査定を行う際にあらかじめ不動車であることを伝えられれば買取可能な業者を絞り込むことも出来るでしょう。
一括査定の際にバイクの状態を入力したりコメントで連絡することも出来ますので、その際に不動車であることを伝えればスムーズです。
また不動車は実際の買取の際に業者の方からトラックなどで引き取りに来てもらわなければならないので、輸送も可能な業者を選ぶためにも一括査定サイトは便利です。
まとめ
バイクは生活の変化や趣味の事情によって乗れなくなることもあり、それが長期間続くとバイクが動かなくなってしまう不動車になってしまいます。
不動車はそのまま保管していてもすぐに動かせるわけではなく、適切なメンテナンスや修理を施す必要があるため手間のかかる存在です。
しかし最近は不動車であっても価格を付けて買い取りしてくれる買取業者が増えてきているため、思い切って売却を検討してみてもよいかもしれません。