
タイヤの空気圧ってどれくらいの頻度で確認すればいい?
バイクを安全に楽しむためには日常点検が不可欠ですが、なかでもタイヤの「空気圧」について、適切な確認頻度を正しく把握している人は意外と少ないかもしれません。
空気圧の管理を怠ると走行性能の悪化や重大なトラブルにつながるおそれがあるとされていますが、タイヤの空気圧はどれくらいの頻度で確認すればよいのでしょうか。
最低でも月1回の確認が必要!

バイクを安全に楽しむためには、ブレーキや灯火類、エンジン部分などの日常的な点検が不可欠です。
タイヤの空気圧もそのなかに含まれているものの、適正な確認頻度を正しく把握している人は意外と多くないかもしれません。
そもそもバイクは四輪車と比較してタイヤの接地面が狭く、名刺1枚程度ともいわれる小さな接地面で車体を支え、駆動力や制動力を路面に伝える乗り物です。
このわずかな接地面の働きを十分なレベルで引き出すための前提条件となるのが、メーカーが指定する適正な空気圧を維持することにほかなりません。
もしも確認を怠って空気圧が不足した状態のまま走行を続けてしまうと、接地面の形状が本来の設計から崩れ、ハンドリングの悪化を引き起こす原因となります。
さらに、コーナリング中においてはタイヤの剛性が不足して変形が大きくなり、グリップ力を失って転倒するリスクが高まるおそれがあるほか、路面からの衝撃を吸収する能力も低下するため、段差を乗り越えた際にホイールへ直接ダメージを与えてしまうリスクも生じます。
くわえて、空気圧が低下したまま高速走行を続けると、タイヤが波打つように変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生しやすくなります。
スタンディングウェーブ現象が発生すると、タイヤ内部に異常な熱が蓄積し、最悪の場合は走行中のバーストにつながるおそれがあります。その結果、重大な交通事故を招く危険性も高まります。
このように、空気圧の管理を怠ることは安全性において大きなデメリットをもたらします。
では、こうした深刻なリスクを防ぐためにも、タイヤの空気圧はどれくらいの頻度で確認すればよいのでしょうか。
結論から述べると、目視や指で押しただけの感覚では5〜10%程度のわずかな空気圧の低下を正確に察知することは難しいため、最低でも月に1回は専用のエアゲージを用いて測定することが望ましいとされています。
したがって、ガソリンスタンドに設置されている空気入れを利用するか、携帯型のエアゲージをあらかじめ用意しておくことが適切な管理につながります。
定期的にエアゲージで測定する習慣を付ければ、パンクなどによる急激な空気圧低下にも早く気付けます。結果として、出先でのトラブルを防ぎ、安定した走行性能を維持しやすくなります。
なお、タイヤに充填された空気はまったく走行していなかったとしても、ゴムの分子の隙間を抜けて1か月で約5〜10%ほど自然に抜けてしまう性質を持っています。
これはタイヤに目立った損傷がなくても物理的に避けられない現象のため、しばらく乗っていなかったバイクを引き出してそのまま走り出すことは、空気圧が不十分な状態で公道に出ることを意味しており、安全上好ましくない行為といえます。
空気圧の補充は、タイヤが冷えた状態でおこなうのが基本ルール!

タイヤの空気圧を適切に管理するうえで、確認頻度と同じくらい重要になるのが、空気を補充する際のタイミングとタイヤの温度状態に関する知識です。
バイクのタイヤに空気を補充する際は、必ずタイヤが冷えた状態である冷間時でおこなうのが基本とされています。
「冷えた状態」とは、走行前や走行後であれば最低でも数時間が経過し、外気温と同程度までタイヤの温度が下がっている状況を指します。
そもそも、なぜタイヤが冷えた状態で調整しなければならないのかというと、空気は温度が高くなると膨張し、低くなると収縮するという物理的な特性を持っているためです。
バイクで走行を始めると路面との摩擦やタイヤ自体の屈曲運動によって内部の空気が温められ、それにともなって空気圧も自然に上昇していきます。
もしも走行直後の温まった状態で空気圧を測定し、それを基準にしてメーカーの指定値まで空気を抜いて調整してしまうと、走行を終えてタイヤが冷えた際に膨張していた空気が収縮して内圧が下がるため、結果として空気圧が指定値よりも大きく不足した状態に陥ります。
そのため、温まった状態で調整をおこなうことは、意図せず空気圧不足を引き起こす原因となり、ハンドリングの悪化やバーストのリスクを自ら招くことになりかねません。
したがって、空気圧の調整をおこなうためにガソリンスタンドやバイクショップへ向かう場合は、できるだけ自宅から近い店舗を選び、タイヤが温まりきる前に作業を済ませることが推奨されています。
もしも長距離を走った後にどうしても空気を補充しなければならない状況に陥った場合は、やむを得ない場合は応急的に補充し、後日冷間時に再調整するなどの工夫が求められます。
そして後日、改めてタイヤが完全に冷えた状態のときに再度エアゲージで測定し、正確な数値に合わせて余分な空気を抜くといった慎重な対応が必要となります。
また、季節の変わり目など外気温が大きく変動する時期にも、空気圧は自然と変化するため注意を払うことが望ましいとされています。
気温が下がる秋から冬にかけては充填されている空気の体積が収縮しやすいため、普段よりも早いペースで空気圧が低下する傾向があります。
逆に夏場は気温の影響で空気圧が高くなりやすいため、季節に応じたきめ細やかなチェックをおこなうことが車体のパフォーマンスを維持するカギとなります。
まとめ
なお、空気圧の指定値は車種ごとにチェーンガードやスイングアーム付近に貼られているステッカー、あるいは取扱説明書に記載されている場合がほとんどです。
前後輪で指定数値が異なるケースが多いため、それぞれのタイヤに対して正しい数値を把握しておくことも不可欠といえます。
正しいタイミングで正確な調整をおこなうことは、タイヤの偏摩耗を防いで寿命を延ばすことにも直結するため、ランニングコストの観点からもメリットをもたらします。
温度変化による空気圧の変動メカニズムを正しく理解し、常に冷間時の数値を基準に管理を続けることが安全かつ快適なバイクライフを送るための必須条件といえるでしょう。








