「これ以上はない」と言わしめる究極モデル ハヤブサ【バイク買取調査隊】
目次
ハヤブサの車種プロフィール
GSX1300Rハヤブサ(2008年モデルからHayabusa1300に車名変更)は、1999年から製造販売されているスズキのフラッグシップモデルです。名称のハヤブサは、猛禽類のハヤブサが、このモデル同様300 km/h以上の速度で飛ぶことができることから名づけられました。世界最速をアピールするために、最初期モデルは速度計の目盛が350 km/hまで刻まれていました。これまで2007年と2021年にモデルチェンジが行われており、2014年2月10日より日本国内でも正式に発売されています。
バイクインプレ
「ハヤブサ」のデザインコンセプトは、「The Refined Beast(凶暴さを制す知性)」。流麗なエアロダイナミクスデザインは、ハヤブサの持つ溢れ出るパワーやパッションを開放しながら、強力なパワーを手の内でコントロールするという理性を備えたスタイリングを具現化しています。空力特性の追求から生まれたシルエットは、ライダーとマシンが一体となる独特のエアロフォルム。これによりトップスピードのポテンシャルと安定性を限界まで引き上げています。
車両の特徴
私はさまざまなバイクに試乗していますが、時には「これ以上のマシンはない」というバイクに出会うことがあります。おそらくハヤブサは、そのうちの 1 台であろうと確信しています。まずは外観を見てみましょう。独特のスタイルは初代から変わっていません。ハヤブサの開発にあたり、徹底的に空気抵抗を研究した結果、このようなデザインになったと言われています。発表段階では賛否両論ありましたが、スズキは「いける」と確信していたそうです。その読みは当たり、販売を開始するとたちまち人気モデルになりました。
先代モデルからアルミ製のメインフレームとリアのスイングアームを継続しています。フロントにインナーチューブ径43ミリの倒立フロントフォークを採用。リアにはKYT製のダンパー調整可能なフルアジャスタブルを採用。リンクを介してスイングアームと連結されています。
フロントブレーキシステムはブレンボのキャリパーを持つダブルディスクで、先代から10ミリ大きくなって 320ミリに大径化。冷却性も向上しています。
スイッチの切り替え一つで走行モードの変更やクルーズコントロールの速度調節などができます。このモデルのインターフェースは最近のバイクの中ではとてもシンプルで扱いやすいと感じました。走行モードなどだけではなく、ブレーキレバーの液圧や左右のバンク角なども表示されるなど、多機能でかつ楽しいシステムです。
足つき
車重は264キログラム、シート高は先代モデルより5ミリ低くなって800ミリ。身長170センチメートルのライダーなら片足がしっかりつくでしょう。シートはウレタンの厚みがあり幅も十分取られているので座り心地はかなり良いと感じました。
タンデムシートは比較的フラットで後方を取り囲むようにグラブバーが装備されているので、荷物の積載性は良いです。大きさは全長×全幅×全高 2180×735×1165ミリと大柄。重量もあるので取り回しは楽ではありません。
カウルに包まれているので姿はほとんど見えませんが、エンジンは水冷4ストローク4バルブDOHC 直列4気筒です。排気量は1339cc、ボア&ストロークは81ミリ× 65ミリ、圧縮比は 12.5、最高出力は188馬力/9700回転、最大トルクは149ミリ/7000回転です。
走り
走り出せば快適そのもの。重い車体も安定します。上半身の前傾度は深いですが、意外と乗っていると疲れを感じません。これは歴代ハヤブサに共通した利点です。このモデルであればロングツーリングも快適にこなせると思います。直進安定性に関しても文句のつけようはありません。
最高速度が時速300キロメートルを超えているので、普通のライダーが一般道で扱えるバイクではありません。優れたエンジン特性やカウルの防風効果により、油断すると自覚なくスピードが上がっていきます。恐怖を感じるはずの車体を寝かしたコーナーリングもスムーズで、レールの上を走っているような錯覚に陥ります。
最速であることが話題になりますが、たとえ一般道を40〜60キロメートルくらいのスピードで走ってもハヤブサが持つ躍動感や楽しさは損なわれることはありません。絶対的なパワーを持ちながら、むやみにそれを試さない。乗り手の自制心が求められます。
ハヤブサの価格は約210万円と安くはないですが、内容を考えればお買い得だと言っても過言ではないと思います。パワーは先代モデルの197馬力から188馬力にダウンしていますが、個人的には全く影響ないと感じました。スズキは「走る」「曲がる」「止まる」など、バイクの基本的な性能が重要」と力説しています。まさにハヤブサは技術者の言葉が形になっていると実感しました。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。
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