バイクは乗らなくても税金がかかる!廃車・税止め手続きのやり方
日本では、バイクの所有者は主に2つの税金を支払う必要があります。
1つが軽自動車税で、排気量によって金額が異なり、年に一度納付します。もう1つは、自動車重量税です。自動車重量税は、新車購入時や車検時に支払う税金で、バイクの重量と用途に応じて課税されます。ただし、125cc以下のバイク(原付)は、自動車重量税が課税されません。
4月1日の時点でバイクを所有していると、その年度の軽自動車税を払う必要がある点に注意しましょう。当記事では、バイクにかかる税金や、廃車の方法などについて分かりやすく解説します。
目次
バイクにかかる税金は大きく分けて2種類
軽自動車税や自動車重量税は、道路の整備や維持に充てられる資金源の1つです。バイクの利用によって道路が摩耗したり、交通量が増加したりするため、その費用を負担する仕組みとなっています。
以下では、バイクにかかる税金を2種類紹介します。
軽自動車税
バイクの所有者の方は、毎年「軽自動車税」と呼ばれる税金を納める必要があります。軽自動車税は地方税の1つで、バイクの排気量によって金額が異なり、原付を含むすべてのバイクが対象です。
車種区分 | 軽自動車税(種別割)/1年間 | |
---|---|---|
原動機付自転車 | 50cc以下 | 2,000円 |
50cc超~90cc以下 | 2,000円 | |
90cc超~125cc以下 | 2,400円 | |
ミニカー | 3,700円 | |
軽二輪(125cc超~250cc以下) | 3,600円 | |
小型二輪(250cc超) | 6,000円 |
出典:総務省「平成28年度から軽自動車税の税率が変わります」
税額は、上表のようにバイクの排気量によって異なります。一般的に、排気量が多いほど税額が高くなります。毎年4月1日時点の所有者を対象に、4月~5月頃に納税通知書が送付されます。
自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の重量に基づいて課される国税のことです。自動車の新規登録や、車検(自動車検査登録制度)の際に、車検証の有効期間分をまとめて納付します。
車種区分 | 自動車重量税 | ||
---|---|---|---|
軽二輪(125cc超~250cc以下) | 新車購入時 | 4,900円(初回のみ) | |
車検時 | なし | ||
小型二輪(250cc超) | 新車購入時 | 5,700円(初回から3年分) | |
車検時 | 初年度登録後の経過年数 ※車検ごとに2年分を納める |
||
12年まで | 3,800円 | ||
13~17年 | 4,600円 | ||
18年以降 | 5,000円 |
※自家用車両の場合
自動車重量税が課税されるのは、125ccを超えるバイクからが対象です。そのため、原付の場合、自動車重量税は非課税です。
125ccを超えるバイクは、自動車と同様に道路に対する負担が大きいとみなされ、自動車重量税の対象となります。なお、軽二輪(125cc超~250cc以下)の場合、自動車重量税は新車登録時のみ課税されます。
乗らないバイクは廃車手続きしないと税金がかかり続ける
乗らなくなったバイクは、たとえガレージに置いたままでも、毎年4月1日時点で所有していれば軽自動車税が課税されます。
そのため、年度末に廃車を検討している場合で、軽自動車税の支払いを避けたいと考える方は、4月1日までに廃車手続きを完了させる必要があります。
バイクの廃車手続きは3月中に済ませよう
軽自動車税は、毎年4月1日時点の所有者を対象に課税される税金です。バイクに乗っていようがいまいが、所有しているという事実だけで課税対象となります。
4月1日の最終の所有状況で判断されるため、4月1日以前に廃車手続きを完了させると、その年度の軽自動車税を納める必要がなくなります。4月2日以降に手続きした場合、その年度の軽自動車税の支払いが必要です。基本的には、3月末までに廃車手続きを完了させるようにしましょう。
4月2日以後に登録手続きしたバイクはその年度の税金が課税されない
4月2日以降に、新しくバイクの登録手続きを行った場合、原則としてその年度の軽自動車税は課税されません。
車検時に納税証明書が必要になる場合、多くの自治体では「納税義務なし」の証明書が無料発行されます。詳しくは、各自治体に確認しましょう。
出典:郡上市「4月2日以降に買った軽自動車の納税証明書(車検用)は発行できますか?」
ただし、自治体では電子化が進んでいるため、車検時の納税証明書が不要になっているケースが増えています。
排気量別!バイクの廃車・税止め手続きのやり方と必要書類
バイクの廃車手続きは、排気量によって手続きの方法が若干異なります。ここでは、一般的な手続きの流れと、必要なもの・書類について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
125cc以下(原付)
125cc以下(原付)の場合は、市区町村役場で廃車手続きを行います。廃車手続きに必要なものは、主に以下の通りです。
【廃車手続きに必要なもの】
- ナンバープレート
- 標識交付証明書
- 軽自動車税(種別割)廃車申告書兼標識返納書
- 印鑑
手続きは基本的にはすぐに終わることが多く、それほど時間を要しません。
126~250cc(軽二輪)
126~250cc(軽二輪)の場合は、地方運輸局(陸運局)で行います。具体的には、各都道府県にある運輸支局で、廃車手続きを行います。廃車手続きに必要なものは、主に以下の通りです。
【廃車手続きに必要なもの】
- ナンバープレート
- 軽自動車税申告書
- 軽自動車届出済証
- 軽自動車届出済証返納証明書交付申請書
- 手数料納付書
- 印鑑
ただし、現在住んでいる市区町村で課税されている、125cc超のバイクの転出・譲渡・抹消などの手続きを、他都道府県で行うときは、一般的に税止め(税申告)が必要です。税止めとは、課税を止めるための旧市区町村への申告のことです。
運輸支局などで転出・譲渡・抹消などの手続きを行った場合でも、旧市区町村への税申告がない場合、登録内容の変更を把握できません。そのため、旧市区町村での課税が続くことになります。
税止め手続きの方法は、受付印のある軽自動車税(変更)申告書のコピーか、新車検証と旧車検証のコピーなどを、ファックスや郵送で、課税されている市区町村に送付します。
251cc以上(小型二輪)
251cc以上(小型二輪)の場合も、運輸支局で廃車手続きを行います。廃車手続きに必要なものは、主に以下の通りです。
【廃車手続きに必要なもの】
- ナンバープレート
- 車検証(自動車検査証)
- 軽自動車税申告書
- 抹消登録申請書
- 手数料納付書
- 印鑑
代理人が手続きを行う場合は、委任状も必要です。一時的な抹消の場合は、自動車検査証返納証明書が渡されるので、なくさないように保管しておきましょう。再登録や譲渡する際に必要となります。
廃車時は自賠責保険の解約払戻金を受け取れる可能性がある
自賠責保険は、自動車やバイクを所有している方に加入が義務付けられている保険です。車を廃車にする際には、自賠責保険も解約手続きを行うことになります。
解約手続きを行うと、残っている保険期間に応じて、保険料の一部が払い戻される場合があります。これがいわゆる「解約払戻金」です。
払い戻される条件は、保険期間中に解約手続きを行うことが条件です。ただし、解約払戻金は月割計算なので、保険期間が残り1か月未満の場合は、払い戻しの対象になりません。また、廃車を証明する書類(廃車証明書や軽自動車届出済証返納証明書など)が必要です。
自賠責保険の解約払戻金を受け取れる可能性がある場合、まずは、加入している保険会社に確認・連絡し、解約手続きと払戻金の手続きについてチェックしましょう。解約手続きが遅れれば、その分払い戻される金額も減る可能性があるので注意してください。また、廃車業者に代行を依頼する場合でも、自賠責保険の解約手続きは自身で行う必要があります。
まとめ
バイクの廃車を検討している場合、軽自動車税の観点から見ると、3月末までに廃車手続きを完了させるのが最もお得です。軽自動車税は4月1日時点での所有者に課税されるため、3月末(厳密には4月1日)までに廃車手続きを完了させると、翌年度の軽自動車税を払う必要がなくなります。
また、バイクの処分方法は、状態や状況によって最適な方法が異なります。バイクの状態が良くまだ乗れる場合など、廃車にしようとしているバイクに一定の需要がありそうな場合は、売却を一度検討するとよいでしょう。