
親が亡くなった後のバイクはどうする?相続手続きと必要書類を解説
親が亡くなったあと、遺品整理の中でしばしば問題になるのは、故人が所有していたバイクの相続や処分の手続きです。
大切な家族が遺した愛車をどのように扱うべきか、残された家族は適切な判断と手続きを求められます。
バイクは単なる個人の持ち物ではなく、法律上の資産として扱われるため、適切な名義変更や登録の抹消を行わなければなりません。
こうした手続きを放置すると、税金の負担が続くだけでなく、後の売却や処分が困難になる可能性もあります。
では、バイクの相続はどのような手続きが必要なのでしょうか。
バイクの相続は排気量によって手続きを行う機関が違う

親が亡くなったあとに遺されたバイクは、思い出深い形見であると同時に、法的に適切な処理が求められる資産としての側面を持っています。
名義変更や廃車の手続きを行わずに放置してしまうと、売却時などの節目でトラブルにつながるリスクを抱えることになります。
遺品整理の中でもバイクの相続は専門的な知識が必要な場面もありますが、適切な手順を踏むことは故人の財産を正しく整理する大切な作業です。
では、バイクの相続手続きはどのように行う必要があるのでしょうか。
バイクを相続する際、まず確認すべきはその車両の排気量です。
実は、バイクの相続手続きは全ての車種で一律ではなく、排気量の区分によって窓口となる機関が明確に分かれています。
原付バイクの相続
排気量125cc以下の原動機付自転車(原付一種・二種を含む)、いわゆる原付の相続手続きは、各市区町村の役所で行います。
今後もそのバイクを相続人が使い続けるのであれば名義変更を行い、誰も乗る予定がないのであれば廃車の手続きを選択します。
手続きの詳細は自治体によって異なりますが、相続に伴う手続きでは、標識交付証明書などの一般的な手続きで求められる書類のほかに、所有者が亡くなった事実の確認と、手続きを行う人に正当な相続権があることを証明する書類が求められます。
具体的には、亡くなった人の死亡が確認できる戸籍謄本や除票住民票、あるいは死亡届の写しなどを必要とすることがあります。
また、故人と手続きを行う人との関係を証明するために、相続人の戸籍謄本が求められることも多いです。
自治体によっては、これらの書類に代えて相続者申立書を利用する場合もあります。
125cc以上のバイクの相続
125ccを超えるバイクや三輪のバイクについては、役所ではなく、地域を管轄する運輸支局や自動車検査登録事務所が窓口となります。
陸運支局などでの手続きの場合、相続する人数やバイクを今後どのように扱うかによって、必要書類や具体的な手順が異なります。
たとえば、一人の相続人が単独で引き継ぐのか、あるいは複数人で協議して代表者が名義変更を行うのかといった状況により、求められる証明書が変化します。
そのため、相続のための手続きでは、事前に管轄の陸運支局や自動車検査登録事務所に電話などで確認を行い、自分の状況に合わせた指示を仰ぐのが確実です。
相続税
バイクを遺品として相続するときに見落としがちなのが税金の問題です。
バイクは、クルマや不動産と同じように個人の財産とみなされます。そのため、そのバイクの市場価値に基づく評価額は相続税の課税対象となります。
年式の古いバイクであっても、希少価値の高いモデルや大型の輸入車などは評価額が高くなることがあります。
相続税の申告時には、預貯金や土地といった目立つ資産だけでなく、ガレージにあるバイクの存在も忘れずにカウントしましょう。
申告漏れを防ぐためにも、適切に価値を算定し、財産目録などに加えておく必要があります。
名義変更の必要性

親が大切にしていたバイクをどうするか決めるのは、家族にとって大きな決断です。乗り続けることが理想であっても、生活環境や免許の有無で維持が難しい現実もあります。
そのような場合、遺品整理として売却を検討することになりますが、その際も名義の整理は避けて通れません。
相続は早めに終わらせよう
故人が所有していたバイクは、当然ながら故人の名義のままで売却することは不可能です。
たとえ正当な相続人であっても、故人のバイクを中古車店へ売却したり、第三者へ譲渡したりしようと考えている場合は、まずは先に説明した排気量ごとの手続きを経て、一度相続人の名義に書き換えるプロセスが必要となります。
クルマなどの他の資産と同様に、公的な登録上の所有者が故人のままである以上、その車両を動産として動かす権利が確定していないとみなされるためです。
相続手続きを放置するリスク
誰も乗らないからといって名義変更をせずに放置してしまうと、上述のような問題が発生するほか、後になって大きな不都合が生じることが考えられます。
まず注意すべき点は、軽自動車税の発生です。バイクの登録が故人の名義のまま残っている限り、たとえ実際には誰も使用していなくても、毎年4月1日時点の所有者に対して税金の支払い義務が生じ続けます。
廃車の手続きを適切に完了しない限り、この課税を止めることはできません。
そして、相続を放置すると、故人の死後数年が経過した後に改めてバイクを処分しようとした際、他の相続人と連絡が取れなくなったり、権利関係が複雑化したりするおそれもあります。
たとえば、他の相続人と連絡が取れなくなっていたり、新たな相続が発生して権利を持つ人数が増えていたりすることがあります。そうなれば、処分のためだけに改めて親族全員と話し合いを設けて合意を得る必要があり、手続きは非常に困難なものとなります。
上述のように、時間が経過するほど相続のハードルが上がるケースもあるため、記憶が新しく書類が揃いやすい時期に相続手続きを完了させておくべきです。
不安な場合は専門家に相談を
バイクの相続手続きは、故人の愛車を適切に整理するための極めて重要なステップです。しかし、日常生活では馴染みのない複雑な作業だけに、一人で進めることに不安を覚える人も少なくないでしょう。
そのような場合は、決して自分だけで抱え込まず、行政書士やバイクの買取業者など、専門的なノウハウを持つプロの力を借りるのも一つの手です。
まとめ
親が亡くなった後のバイクの手続きは、排気量によって相談すべき窓口が異なる点が大きなポイントです。
原付であれば市区町村の役所、125ccを超えるバイクであれば運輸支局などが窓口となります。
いずれの場合も、所有者が亡くなったことが確認できる書類や、手続きを行う人が相続人であることを証明できる書類が必要になる場合が多い点に注意が必要です。
もし手続きに関して不安がある場合は、お住まいの地域の役所や管轄の運輸支局へ問い合わせを行い、正確な情報を得ることが大切です。
適切な手続きが、故人の愛車を最も良い形で整理することにつながります。








