バイクの点検の種類と頻度・費用相場を解説!パーツごとの費用も紹介
バイクを安全に乗り続けるなら、点検は必要不可欠です。しかし、点検費用がどれくらいかかるのか不安に感じる方もいるのではないしょうか。点検にはいくつか種類があり、点検以外でも必要に応じて専門店に見てもらうことも必要ですが、一般的に点検で費用がかかるのは12か月おきに行う「定期点検」です。
当記事では、バイクの点検の種類と頻度・費用相場について解説します。点検におけるパーツ交換の費用が気になる方も、ぜひご覧ください。
目次
バイクの点検の種類と頻度・費用相場
バイクは便利で楽しい乗り物ですが、安全を確保するためにはしっかりとしたメンテナンスが必要です。メンテナンスは毎日行うのが理想的ですが、バイクの専門知識を持たない方にとっては現実的な頻度とは言えません。
バイクを安全に利用するために最低限メンテナンスを行うべきタイミングとして、初回点検・日常点検・定期点検の3つが挙げられます。それぞれ、点検内容と費用について詳しく紹介するので、参考にしてください。
初回点検
初回点検とは、バイクを新車購入してから1か月が経過したとき、もしくは1,000km走行したときに推奨される点検です。初回点検はバイクを購入してすぐのタイミングではあるものの、早い段階での点検整備が車両の寿命に影響を与えるとも言われています。
初回点検で主に行うのは、初期不良の有無の確認やドライブチェーンの初期伸びなどです。また、新車は鉄粉によってオイルが汚れやすいため、初回点検のタイミングでオイル交換を行うケースもあります。
新車の初回点検をバイク購入店で依頼する場合、費用は基本的に無料です。ただし、購入店以外に依頼する場合は6,000円前後の点検費用がかかる可能性があるため注意してください。
日常点検
日常点検は、日常でバイクに乗る前にユーザー自身で行うべき点検のことです。日常点検では以下の10個の項目について点検を行う必要があります。
- ブレーキのきき具合、ブレーキペダルとレバーの遊び
- ブレーキ液の量
- エンジンオイルの量
- 灯火装置およびウインカー
- タイヤの空気圧、溝の深さ、亀裂・損傷・異常摩耗の有無
- 冷却水の量
- エンジンのかかり具合と異音の有無、バッテリー液の量
- 低速と加速の状態
- 運行時に異常が認められた部分の確認
- チェーンの緩み、たるみ、張りすぎなど
上記のうち、チェーン以外の部分については法律で定められた点検項目です。日常点検を自分で適切に行えれば、故障や不具合の早期発見につながり、安心して走行できる可能性が高くなります。点検作業について分からない部分があれば、購入の際などにバイクショップに確認しておくとよいでしょう。
なお、日常点検はユーザー自身で行うものなので、点検費用はかかりません。
定期点検
定期点検は、12か月おきに実施することが法律で定められた点検です。法定点検や12か月点検、1年点検と呼ばれることもあります。車検が必要ない原付バイクや250cc以下のバイクでは、特に必要性が高い点検と言えるでしょう。
定期点検では、車体や制動装置、原動機、走行装置といったバイクの各部分について、オイルや液類、摩耗部品、ゴム類などを点検します。部品などに異常があり使用できない場合や故障の恐れがある場合は、必要に応じて交換を行います。
定期点検の費用相場は以下の通りで、バイクの排気量ごとに異なるのが特徴です。
点検費用 | |
---|---|
125cc以下 | 約6,000~11,000円 |
126cc~250cc | 約8,000~15,000円 |
251cc以上 | 約10,000~20,000円 |
上記の基本料金に加えて、異常や故障があれば修理部品代や工賃が追加されるため注意してください。
250cc以下のバイクの点検義務
250ccを超えるバイクは、車検が法律で義務付けられています。一方、原付バイクを含む250cc以下のバイクについては、車検を受ける義務はありません。また、250cc以下のバイクは定期点検についても法的義務がないため、定期的な点検やメンテナンスを行わなくても法律違反ではないということになります。
ただし、車検や定期点検が義務付けられていないからこそ、ユーザー自身が注意して点検やメンテナンスを行うことが大切です。バイクは公道を高速で走行しても問題ない状態で維持する必要があり、万が一不備に気付かず運転を続けた場合、ユーザー自身はもちろん周囲にも被害を及ぼしかねません。そのため、法的な義務はなくても、1年に1回は定期点検としてバイクの状態を確認してもらいましょう。
バイクの点検でかかるパーツ交換の費用相場
バイク点検で消耗部分やパーツを取り替えると、その交換した部品代金と工賃が別途かかります。そのため、バイク点検を依頼する際には、点検作業自体の料金に加えてパーツ交換分のお金もある程度用意しておくのがおすすめです。
以下では、バイクの点検でかかるパーツ交換の費用相場を、パーツの種類別に紹介します。
オイル交換
エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑や冷却、洗浄、錆び防止の役割を果たし、エンジン内部を保護するものです。エンジンオイルの劣化や量の不足は故障の原因になるほか、エンジンの寿命を短くすることにもつながります。エンジンオイルが汚れた場合は元に戻らないため、交換が必要です。一般的には、6か月または走行距離3,000kmがエンジンオイルの交換目安と言われています。
オイル交換の費用相場は約2,000~5,000円です。ただし、250cc以下のバイクの場合は1,000円前後で済む場合もあります。
ブレーキパッド交換
ブレーキパッドは、バイクや自動車といった車両を減速させたり停止させたりするための摩擦材料です。車両がブレーキをかけた際に、ブレーキパッドがブレーキディスクまたはローターに押し付けられることで車両が減速・停止します。
ブレーキパッドは使うたびに少しずつ摩耗するパーツです。摩耗が進行しすぎるとブレーキのききが悪くなったり、最悪の場合はブレーキがきかなくなったりするリスクもあるため、定期的な交換が必要になります。
ブレーキパッド交換の費用相場は、1か所につき約2,000~5,000円です。
タイヤ交換
タイヤはゴム素材でできており、乗っていない期間も徐々に劣化します。また、タイヤが古くなると、弾力が落ちて走行時の安全面に問題が生じる恐れがあるほか、異物が刺さってパンクする確率が上がるため、適宜交換が必要です。
タイヤ交換の費用相場は、1か所につき約5,000~30,000円となっています。タイヤのサイズやメーカーによって費用相場が大きく異なるのが特徴です。
プラグ交換
スパークプラグは、バイクのエンジンが正常に動作するために欠かせないパーツです。スパークプラグは消耗品であり、摩耗すると性能の低下や燃費の悪化、始動不良などを招くため、定期的な交換が必要になります。スパークプラグの交換時期の目安は走行距離10,000~20,000km程度ですが、定期的に状態を確認し、必要に応じて交換することが大切です。
プラグ交換の費用相場は約500~4,000円で、メーカーや製品によって異なります。
バッテリー交換
バッテリーは、放置していると放電によって劣化するパーツです。バッテリーの劣化はエンジンのかかりを悪くさせ、エンジンが始動しなくなることもあるため、必要に応じて点検と交換を行いましょう。
バッテリー交換の費用相場は約5,000~14,000円です。
ドライブチェーン調整
ドライブチェーンは、バイクに乗っていると自然に緩んでいってしまいます。ドライブチェーンの緩みが進行すると、走行中にチェーンが外れたり、破断して事故を引き起こしたりする可能性があるため注意が必要です。
ドライブチェーン調整の費用相場は1,000円前後、交換が必要な場合は3,000円前後になります。
まとめ
バイクには最低限メンテナンスを行うタイミングに初回点検、日常点検、定期点検の3つがあります。初回点検はバイク購入後すぐのタイミングで行い、ある程度実際に走行したあとで早い段階でバイクに問題がないかを確認します。また日常点検では日々バイクに問題がないかを確認し、定期点検では約1年に1回のタイミングでバイクに故障部分や取り替える部分がないかを確認し必要に応じてパーツを交換します。
初回点検は購入店であれば費用は無料、定期点検はバイクの排気量によって費用がかかり、約6,000~20,000円です。点検費用に加え交換するパーツなどがあれば、追加で費用がかかるようになっています。