
バイクの維持費を減らせるかも?「ユーザー車検」の仕組み
バイクの維持に欠かせない車検には、販売店や整備工場に依頼する方法だけでなく、自分で運輸支局へ持ち込む「ユーザー車検」という選択肢もあります。
費用を抑えたいと考える人にとって魅力的な方法ですが、具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。
ユーザー車検は自分でバイクの車検を受ける制度

ユーザー車検は、バイクの使用者が自ら運輸支局へ車両を持ち込み、そこで継続車検を受ける制度です。
自分自身で手続きを行うため、検査の流れや必要な書類を把握しておくことが欠かせませんが、その準備さえ整っていれば比較的スムーズに受けることができます。
ユーザー車検とは
ユーザー車検は、販売店や整備工場を介さず、自分で検査場に出向いて車検を更新する仕組みです。
検査場は全国どこでも利用でき、予約はインターネットで行います。検査当日は案内に従って受付を済ませ、指定された検査レーンへバイクを進めるだけで手続きが進みます。通常の車検と検査内容は変わらず、バイクの状態が基準に適合しているかどうかを確認する点は同じです。
ユーザー車検に必要な準備
ユーザー車検を受けるには、事前の書類準備が重要です。
車検証や点検整備記録簿、自賠責保険証明書などの基本的な書類に加え、検査当日に使用する申請書一式を用意する必要があります。
継続検査申請書や自動車検査票、自動車重量税納付書などは運輸支局でも入手できますが、事前に自宅で申請書を作成しておくと当日の手続きがよりスムーズです。
申請書は電子的に読み取られて使用されるため、記入内容に誤りがないよう注意が必要です。
また、ユーザー車検では事前の点検整備も不可欠です。
検査の合否は車両の状態に大きく左右されるため、自分で作業できない箇所は整備工場に依頼し、点検整備記録簿へ記録する必要があります。
定期点検整備の時期は検査前後のどちらでも構いませんが、検査当日までに確実に済ませておくことが求められます。
ユーザー車検の内容
検査当日は受付で書類確認を済ませた後、検査コースへ進入します。
バイクは荷物や付帯物を降ろした状態で持ち込む必要があり、検査項目に応じてアクセルやブレーキを操作しながら進んでいきます。
流れ自体は案内に従えば問題なく、また多くの場合検査レーンを事前に見学できるため、初めて利用する人でも理解しやすいよう構成されています。
検査では、ライトやウインカーなどを確認する外観検査、前後ブレーキの効きを測定する検査、スピードメーターの誤差を見る検査、ヘッドライトの光軸検査、排気ガスの状態を調べる検査などが行われます。
基準に適合していればそのまま合格となり、新しい車検証とステッカーが交付されます。不合格となった場合は、指摘箇所を整備したうえで再度検査を受ける必要があります。
ユーザー車検のメリットと気をつけたい点

上述のように、ユーザー車検はライダー自らバイクを車検に通す必要があります。
一見面倒なように見えますが、実はいくつかの魅力も存在します。
ユーザー車検の大きな魅力のひとつは、費用を抑えられる可能性がある点です。
車検では、継続検査手数料や自動車重量税、自賠責保険料などが必ず発生しますが、販売店や整備工場に依頼した場合にはこれらに加えて代行手数料が必要となることがあります。
車検手数料は1台あたり1800円と定められているものの、代行手数料は依頼先によって幅があり、数千円から数万円になることもあります。
ユーザー車検ではこの代行費用が不要となるため、総額が抑えられるケースが多く見られます。
また、検査場へ自分で持ち込むため、バイクを預ける必要がなく、スケジュールが合わせやすいのも利点です。
検査が順調に進めば短時間で完了することもあり、店舗での預かり期間が発生しない点も魅力のひとつといえます。
一方で、ユーザー車検には注意しておきたい側面も存在します。
まず、検査項目を自分で把握して準備する必要があるため、整備に関する知識があまりない場合は戸惑うことがあります。
また、検査で不具合が見つかると整備や再検査が必要となり、結果的に時間や手間がかかる場合もあります。
そのほか、点検整備を正確に行う責任も自分にあるため、日常的にメンテナンスをしていない人にとっては負担が大きく感じられることもあります。
バイクのユーザー車検には、このようなメリット、デメリットが存在します。
そのため、整備に自信がなくバイクの点検や車検は専門家に任せたいという人は認定整備工場での車検が無難です。
一方、バイクの状態を自分でしっかり把握したい場合や手間をかけてでも費用を抑えたい場合は、ユーザー車検を利用するとよいかもしれません。
どのようにバイクの車検を通すか、オーナーの事情に合わせて選択するのが大切です。
まとめ
ユーザー車検は、費用や時間を自分の裁量で調整できる方法として有効です。
手続きや点検整備に主体的に関わることで、バイクの状態をより深く把握できる点も利点といえます。
自分の状況やバイクのコンディションに合わせて、最適な車検の仕組みを選ぶことが重要です。








