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「上手くなった」と錯覚するビッグオフ・テネレ700【バイク買取調査隊】

テネレ700の車種プロフィール

2019年の新型モデルとして、2018年11月のEICMA2018(イタリア・ミラノ)で発表された。「テネレ」とは、サハラ砂漠の中南部を指す「テネレ砂漠」に由来する言葉で、現地トゥアレグ族の言葉で「何もない場所」を意味する。エンジンは、MT-07やXSR700に用いられていた並列2気筒ユニットをベースに、アドベンチャーモデル向けのセッティングが行われた。ホイールサイズは前21インチ、後18インチ。タイヤはピレリ製のスコーピオンラリーSTRがセットされた。

バイクインプレ

車両の特徴

近年のアドベンチャーモデルは電子制御が充実しており、その分だけ車体が重く大きくなりがちだ。
しかしテネレ700はトラクションコントロールすら採用していない。
構造を軽量・シンプルにして、装備品もできるだけ少なくすることで未舗装路を楽しく走れるマシンに仕上げているのだ。
これは昨今のアドベンチャーモデルの傾向に対するヤマハからの回答、またはアンチテーゼのように受け取れる。

シート高が875mmと、足つきは決していいとは言えない。
身長179cmのライダー(インプレッションライダー)で、めいっぱい両足を延ばしてカカトがつく。

やや低めに設定された小型のスクリーン。
しかしこのサイズでも走行風をヘルメットのシールド付近まで走行風を跳ね上げてくれる。
高速道路の巡航を快適にこなせて、ロングツーリングでは疲労軽減につながる装備だ。

エンジン

MT-07やXSR700と共通の270度クランク並列2気筒エンジンをオフロード向きにリセッティングしている。


この270度クランクがもたらすトラクション性能のよさがテネレ700の魅力のひとつ。
スロットルを開けたときにタイヤをグリップさせながら前に押し進めるような駆動力を発揮する。

パワーフィーリングは270度クランクらしい吹け上がりの良さが特長で、スロットルをラフに開けると、フロントフォークを伸ばしながら加速していく。
舗装路でフロントを持ち上げるように障害物をクリアする際に、この走行特性が大きく役立つ。

足回り

このモデルで最もコストがかかっている部分が、この足回りではと感じるほどよくできている。
路面が悪い状況でもリヤサスペンションがしなやかに動いて、タイヤが路面から離れようとする挙動を抑え込んでくれる。

標準装備しているタイヤはピレリ製。
ブロックパターンのタイヤに近いデザインになっているが、高速道路走行中でもゴツゴツ感や大きなロードノイズはなく、オンロード向けのタイヤに近い感覚で走ることができる。

フロント/リヤキャリパーはブレンボ製を採用しており、前後ともにABSのON/OFF切り替えが可能。
舗装路・未舗装路を問わずABSの介入具合が絶妙で、いたずらに制動距離が伸びてしまうことはない。

走り

車体全体に重量が均等に分散しているため、カタログ値(車体重量:205kg)よりも軽く操れる印象で、中型オフロードモデルに近い乗り味。

オフロード走行では、スロットルの開け始めが扱いやすく、これが大きな武器になる。
つまりアクセルを開け始めた時のトルクの立ち上がりがスムーズなのでいたずらにリヤタイヤを滑らせてしまうことがない。

さらに、エンストしにくい粘るエンジン特性のため、一般的な技量のライダーでも安心してオフロード走行を楽しむことができる。

そして何よりも1000ccクラスの大型アドベンチャーモデルと比べると車体が軽くコンパクトであることが大きな特長だ。

また、フロント21インチホイールによる走破性は絶大で、もし19インチ、17インチのアドベンチャーモデルに乗っていたライダーが、この21インチホイールのテネレ700で林道を走ると、自分が上手くなったと錯覚するほどの違いを感じるだろう。

足着きが若干厳しいと感じるかもしれないが、車体は205kgと軽量。
昨今の巨大化したアドベンチャーバイクよりも気軽にオフロードを楽しみたいライダーに最適な1台だといえる。

※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります

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