法改正で原付が125ccに?50ccの原付の売却に影響はある?
2024年に入り道路交通法の改正で、これまでの原付バイクのカテゴリーが変わり125ccのバイクの一部が原付バイクと同じ区分になるようです。
本記事では、新しく導入される原付バイク・原付二種についての交通ルールをくわしく解説していきます。
道路交通法の改正で一部の125ccが原付扱いに
警察庁は、2025年11月からの排ガス規制強化にともない125cc以下のバイクの出力を制限し、50ccの原付と同等の「新基準原付」とする方針を発表しました。
新規制が導入される理由としては、現行50cc未満の原付バイクの生産が困難になるからであると言われています。
新規制導入後は新基準原付「最高出力を4kw以下に制限した125cc以下のバイク」についての運転がこれまでの原付免許で運転可能になる旨の道路交通法改正が進められています。
原付免許や普通免許で原付二種に乗れるようになるわけではない
原付免許ですべての125ccのバイクが運転できるようになるとの誤解もありますが、これまでのルール通り、原付免許・普通免許(中型自動車免許)では原付二種に乗ることはできません。
2025年の法改正で運転できるようになるのは、あくまで出力制限された125cc以下のバイク。
50ccのバイクと同等の出力しか出せないよう制限された車体のみが「新基準原付」として扱われるようになります。
原付二種に分類される125ccバイクも引き続き生産されますが、当然原付免許(50cc未満)や普通免許(50cc未満バイク運転可能)で運転することは不可能です。
新基準原付も引き続き原付と同様の交通ルールを守ることが必要
また、新基準原付はこれまでの50ccの原付と同様、二段階右折が必要であり、二人乗りは禁止、法定速度は30km/ hとなっています。
125ccだからといって、原付二種のルールが適用されるわけではない、という点に注意が必要です。
まとめると、パワーをおさえた新基準原付の一部がこれまでの原付バイクと同じ扱いを受けるものと理解しておきましょう。
50ccの原付は今後貴重になるのか
50ccの原付バイクは、これで生産終了となり、今後新たに生産される予定はありません。
では、今後50ccのバイクは高騰する可能性はあるのでしょうか。
原付以外のバイクに目を向けてみると、新規制導入で絶版となったモデルの市場価格は、走行距離・車両コンディションに関係なく、それまでの中古価格よりも高騰してプレミアム価格となっています。
現在市場価値が高いと言える絶版のプレミアムバイクとして有名なモデルは、カワサキ・「Z2」、スズキ「GSXR-750」、ホンダ「NSR250」などです。
いずれのバイクも現在の新車ではメーカーから販売ができないキャブレター車や2ストロークエンジン車であり、希少価値が高くなっています。
カワサキ・ZⅡの現代版復刻モデルで、2017年の東京モーターショーでカワサキ「Z900RS」が公開され、現在ではよく街で見かける人気モデルです。
しかしカワサキ・Z900RSの仕様を見るとエンジンは水冷4気筒・フロント倒立サスペンション、リアサスペンションはモノ(1本)と現代風であり、本家の完全復活までには至っていません。
原付免許で乗れる新車は今後も販売されるため、中古車の人気が急騰する可能性は低い
ただし、現在生産されている原付の多くは通勤、通学用のスクーターであり、ライダーから急に人気が出るようなモデルではありません。
また、原付免許で運転できる手軽なバイクとしての役割は今後新基準原付や電動バイクが担っていくため、中古の50ccのバイクの希少価値が上がることは考えにくいでしょう。
今回の法改正では原付免許で現行の原付バイクが運転できなくなる規制ではありません。
これまでの原付バイクは、新たな法改正後も運転が可能ですが、各メーカーは排ガス規制を受け2025年11月をもって原付50cc未満のバイクを生産・新車販売はなくなる見込みです。
原付50ccバイクの代わりに、新基準原付・電動バイクなどが原付というバイクのカテゴリーに代わっていくような時代になるでしょう。
これまでは生産中止などで最終モデルとなったバイクについては価格急騰などの現象が起こってきました。
原付バイクの生産中止は、以降のエンジン特性が新しいキャラクターの新基準原付やガソリンを利用せず電気でエコに走れる電動バイクなども出てくるので、現行原付モデルの過度な価格急騰などはありません。
そのため、原付バイクを売却する際には、タイミング等を考える必要はなく、むしろバイクの状態がよいうちに売却するとよいでしょう。
人気モデルのファイナルエディションが発売された場合高騰する可能性も
ただし、50ccの原付の中にも趣味性が高いモデルはあります。
長年ライダーの間で人気を博したモデルが、最後のモデルを販売終了するとそれ以降市場に残っている人気モデルはさらに値段が高騰することがあり、たとえば、ホンダ・CB400SFは廃盤が決まった後に中古価格が高騰してコンディションの良い車両は150万円〜で店頭・ネットなどで売られています。
CB400SFの当時新車販売価格60万円前後と比べると2倍以上のプレミアムバイクになっていますが、このような現象が原付で起こる可能性もないとは言えません。
まとめ
本記事では、道路交通法改正にともない新しく加わる車両区分である「新基準原付」の扱いや今後の原付バイクの価格高騰などについて説明しました。
人気モデルのスペシャルエディションなど一部の例外はあれど、基本的に今後原付が高騰することは考えにくいと言うことができるでしょう。
そのため、原付の高騰を待って売却を先延ばしにしてしまうと、状態の悪化などによりかえって査定額が低くなってしまう可能性もあります。
乗っていない原付がある場合、一括査定サービスなどを利用して、早めに売却するとよいでしょう。