
中古バイクの「初度登録年月」と「モデル年式」は何が違うの?
中古のバイクの「初度登録年月」は、いずれも車両の状態や価値を確認するうえで参考となる情報です。
この二つは似ているものの、それぞれ違う意味を持っていますが、その違いを正確に理解している人は多くないかもしれません。
特に売買や査定の場面では、両者の違いを把握しておくことが、年式や経過年数の正しい判断につながります。
では、それぞれの項目にはどのような意味があるのでしょうか。
「初度登録年月」と「モデル年式」は似て非なるもの

中古バイクの情報を確認する際、「モデル年式」や「初度登録年月」といった表記が並んでいることがあります。
どちらもそのバイクがいつ頃のものなのかを知る手がかりにはなりますが、実際には指し示す内容が異なります。
特に、年式によってデザインや性能が異なるモデルも存在するため、両者の違いを正しく理解しておくことが重要です。
初度登録年月はそのバイクが初めて公的に記録された年月
初度登録年月は、そのバイクが初めて公道で使用するために登録された時期を指します。
250ccを超えるバイクでは、この情報が車検証に記載されており、二輪車において、新規登録が実施された年月が表示されます。
一方、250cc以下の車検のないバイクでは、この情報は登録証に記載されません。250cc以下にこの情報は登録証に記載されないため、中古のバイクでこの情報を知ることは容易ではありません。
これらの日付は、いわば「そのバイクが初めて世に出た日付」にあたるものであり、車両保険や自動車重量税などに影響を与えます。
モデル年式はそのバイクが製造された年
一方、モデル年式はバイクが製造された年を示す情報であり、「〇〇年モデル」などと表記されることがあります。
同一車種であっても、モデル年式によって外観や装備、排気量などの仕様が変更されることがあるため、中古車を選ぶ際には確認しておきたい項目のひとつです。
たとえば、あるモデルでは2021年モデルから排ガス規制に対応した仕様に変更されていたり、カラーリングやサスペンション形式が変更されている場合は、モデル年式を注意深く確認する必要があります。
モデル年式や製造年は車検証などには記載されないため、もし知りたい場合はメーカーのホームページなどで車体番号を検索するなどの方法があります。
一部のメーカーでは、車体に貼ったラベルに製造年の情報を仕込んでいることもあるため、製造年を調べるときはメーカーや正規店に尋ねるのが無難と言えます。
初度登録年月とモデル年式が違う場合
中古バイクの中には、モデル年式と初度登録年月が一致しない個体も存在します。
これは、製造から実際に登録されるまでに一定の期間が空いたケースで見られます。
たとえば、販売店で在庫として長期間保管されていたバイクや、登録前に流通が滞った車両などが該当します。
このような場合、初度登録年月だけを見て購入を判断すると、意図していたモデル年式とは異なる仕様の車両を選んでしまう可能性があります。
たとえば、2011年モデルを探している人からすれば、初度登録年月が2011年であるバイクが選択肢に入ります。
しかし、初度登録年月が2011年であるバイクの中には、2010年に製造され、2011年に売約、登録されたもので、自分の欲しいモデルではない可能性もあります。
そのため、中古バイクを探すときは、初度登録年月は必ずしもモデル年式を示すものではないことを頭に入れておく必要があります。
とくに、年式ごとに装備や排気量に違いがあるモデルでは、モデル年式を重視して確認することが欠かせません。
中古バイクを選ぶ際は、情報だけでなく現車確認も重要

中古バイクを購入する際は、モデル年式や初度登録年月といった書類上の情報を確認することが基本ですが、それだけでは車両の実際の状態や仕様を完全には把握できません。
先述の通り、初度登録年月とモデル年式の相違によって意図しないものを買ってしまうこともあります。
また、年式の情報が一致していても、実際の使用状況や保管環境によって、コンディションには大きな差が生じます。
たとえば、同じ年式・走行距離であっても、屋外保管と屋内保管では外装の劣化度合いが異なることがあります。また、整備履歴の有無や前オーナーの使い方によっても、エンジンや足回りの状態に差が出る可能性があります。
そのため、中古バイクの購入を検討する際は、書類上の情報だけで判断するのではなく、できる限り現車を目視で確認し、傷や消耗の程度、整備状況を直接チェックすることが重要です。
まとめ
中古バイクの購入や査定において、「初度登録年月」と「モデル年式」は混同されやすい項目です。
両者は似て非なるものであり、正しく理解しておくことで、バイクの仕様や価値を見誤るリスクを減らすことができます。
さらに、年式や登録情報だけでなく、実車の状態を確認することも、納得のいくバイク選びにつながります。