バイクの車検費用の相場|費用の内訳・費用を抑えるポイントも
バイクの車検は、費用と手続きが複雑に感じられることが多いですが、事前に情報を把握しておくことで、スムーズに進められます。
本記事では、バイク車検が必要な理由や具体的な費用の内訳、そして車検を実施する際の選択肢について詳しく解説します。さらに、ユーザー車検、代行業者車検、ディーラー車検のそれぞれの方法についてのメリット・デメリットも紹介。最後に、車検費用を抑えるためのポイントもお伝えします。これからバイク車検を受ける方に向けて、役立つ情報が満載です。
目次
バイクの車検費用の相場・内訳
バイク車検が必要なのは、道路運送車両法の小型二輪にあたる排気量250cc超のバイクです。バイク車検は、自分で行うことも可能ですが、店舗のある業者へ依頼するケースが一般的と言えます。販売店やバイクショップなど業者に車検を依頼した場合の費用は、約40,000~60,000円が相場です。
また、バイクのメーカーや車種によってはそれ以上かかることもあります。
バイク車検にかかる費用は、必ずかかる「法定費用」とバイク車検を業者へ依頼した場合にかかる「代行手数料・整備料金」があります。以下では、それぞれの費用について詳しく解説します。
法定費用
法定費用とは、陸運局で手続きを行う際に支払う費用のことです。法定費用は、以下の自賠責保険料、重量税、検査印紙代の3種類があります。
(1)自賠責保険
自賠責保険は、原付バイクを含むすべての自動車が加入しなければならない強制保険です。万が一事故を起こしてしまった際に、相手に支払う損害賠償金を補償します。
自賠責保険の保険料は、バイクの車検期間の残存期間によって異なります。車検の残存期間がある場合は24か月、残存期間がない場合は25か月の保険料の支払い義務が発生します。自賠責保険の保険料は、24か月の場合8,760円、25か月の場合8,910円です。
(2)重量税
重量税は、自動車の重量や経過年数などに応じて課税される税金です。重量税は、車検時に納税する義務があります。
排気量250cc超バイクの重量税は、以下の通りです。
- 初回登録時より13年未満の場合:年間1,900円
- 登録後13年超~18年未満の場合:年間2,300円
- 登録より18年経過以降の場合:年間2,500円
車検は基本的に2年に1回となるため、2年分の合計金額を車検時に納税します。たとえば、13年未満の250cc超のバイクの場合は、3,800円(1,900円×2年分)を支払います。
(3)印紙代
印紙代とは、バイク車検時の手続きで発生する手数料のことです。車検登録や検査運営、車検証取得の際に発生します。
印紙代の主な内訳は、下記の通りです。
- 基準適合性審査:1,300円
- 自動車検査手数料:500円
- 用紙:50円
車検内容や実施場所によって金額は多少異なりますが、1,850円程度が一般的です。
上記費用は、車検時に必ず必要となるため、事前に確認しておきましょう。
代行手数料・整備料金
バイク車検の代行手数料・整備料金は、車検を依頼する業者によって異なります。
(1)代行手数料
代行手数料は、陸運局へバイクを持ち込み車検を代行してもらうために業者へ支払う手数料のことです。代行手数料の相場は15,000円程度で、販売店に依頼するよりもバイク整備工場に依頼する方が安くなる傾向があります。
(2)整備料金
整備料金とは、バイクに異常がないか点検し、車検を通すために整備を実施する際に発生する費用のことです。
整備料金の相場は、20,000円程度が一般的です。バイクの状態により、タイヤやバッテリー、パーツなどの交換が発生した場合は、部品代や作業代が別途発生します。
バイク車検の方法
バイク車検には、ユーザー車検と代行業者車検、ディーラー車検の3つの方法があります。それぞれの方法にはメリットもデメリットもあるため、自分に合った車検方法を選びましょう。
ユーザー車検
ユーザー車検は、自分で車検を行う方法で、費用を抑えられるのが1番のメリットです。しかし、車検に関わる準備や手続きなどすべて自分で行うため、時間と手間がかかります。
書類の準備や車検場への持ち込み、車検ラインにおける点検なども自分で行う必要があるため、ある程度の車検に関わる知識や技術が必要です。
ユーザー車検の費用は、基本的に法定費用のみです。初度登録より13年未満のバイクであれば、車検費用は15,000円程度が相場です。ただし、車検の保安基準に満たない場合、追加整備や部品交換などを実施した後、再検査を受ける必要があります。
代行業者車検
代行業者車検は、車検場に車両を持ち込み、必要書類を作成して車検を通すまでの工程を請け負ってくれます。代行業者車検では分解整備を実施しないため、整備や点検は自己責任となり、車検に合格するための整備や点検はすべて自分で実施しなければなりません。
代行業者車検でかかる費用は、車検時に必ず必要な法定費用と車検代行手数料のみです。必要最低限の法定点検のみを実施し車検を通すため、車検にかかる期間を短縮できるのもメリットの1つです。
ただし、車検に合格したからといって、車の安全性が保証されるわけではありません。整備や点検を実施していない場合、トラブルが発生する可能性があることを認識しておきましょう。
ディーラー車検
ディーラー車検は、バイク販売店などに車検を依頼する方法です。ディーラー車検の場合、車検場にバイクを持ち込む前に整備や点検を実施し、部品交換が必要な場合は部品を交換してから車検に通します。車検に関するすべての工程を一括対応してくれるだけでなく、バイクメンテナンスなども実施してくれるため安全面でも安心です。
ディーラー車検の場合は、法定費用や代行手数料の他に、事務手数料や整備費用などが発生します。費用に関しては、ユーザー車検や代行業者車検と比べて高くなります。
バイクの整備や点検を自分で行うのに不安があるバイク初心者の方は、プロに点検してもらえるディーラー車検がおすすめです。
バイクの車検費用を抑えるためのポイント
新車の場合は初回の登録より3年、以降2年ごとに訪れるバイクの車検は、できるだけ費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。バイクの車検費用は、少しの工夫で費用を抑えることができます。
以下では、バイク車検費用を抑えるための3つのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてバイク車検費用を節約してください。
普段からメンテナンスを行っておく
普段からこまめにメンテナンスを行い、定期点検を欠かさないことで、車検時に必要な整備項目を減らし、費用を抑えることができます。特に、エンジンオイルやブレーキパッド、タイヤなどの消耗部品は、定期的な交換が必要です。
こまめなメンテナンスは、バイク車検費用を抑えるだけでなく、快適で安全なバイクライフを送るためにも役立ちます。
複数の業者から見積もりをもらう
車検費用は業者によって大きく異なるため、必ず複数の業者から見積もりをもらって比較しましょう。1つの業者の見積もりだけでは、適正な価格なのかを判断するのは難しいです。複数の業者から見積もりをもらうことで、車検の費用相場が分かり、比較検討もしやすくなります。
見積もりをもとにして、値引き交渉することも可能です。適正な価格で車検を実施できるのはもちろん、結果的に車検費用を抑えることができます。
車検の内容を精査する
業者から見積もりを受け取ったら、金額だけに注目するのではなく、車検の整備内容もしっかり精査しましょう。
より安全にバイクに乗るために、予防整備を実施する業者もあります。予防整備とは、現状は特に異常がなくても、次回の点検までに問題が発生するおそれがある部品を交換することです。予防整備など任意の車検項目で必要がないと判断する場合は、精査することで車検費用を抑えることができます。
ただし、費用を抑えるために必要な車検項目まで削ってしまうのは本末転倒です。安全性を確保するための車検であることを認識しましょう。車検項目に不明点がある場合は、業者に確認してから精査するのも1つの方法です。
まとめ
バイク車検は、法定費用と代行手数料・整備料金の2つの主要な費用がかかります。ユーザー車検は費用を抑えられますが手間がかかる一方、代行業者やディーラー車検は費用が高くなるものの、手間を省けるメリットがあります。
車検費用を抑えるためには、普段からのメンテナンスや複数業者からの見積もり取得、車検内容の精査が重要です。バイクの安全性を確保しながらも、賢く車検を行うための参考にしてください。適切な準備と選択で、安心してバイクライフを楽しみましょう。