
台風や地震が多いこの頃、保管時に気を付けたい転倒対策は?
地震や台風など、昨今の日本はしばしば大きな自然災害に見舞われています。
たとえば、2025年7月3日には鹿児島県十島村で、最大震度6弱を記録するトカラ列島地震が発生し、村民の生活に大きな影響が出る事態になりました。
こうした中、バイクを所有するライダーにとっては、自分のバイクをどのようにして自然災害から守るかは大きな悩みの種といえます。
特に、自分の目の届かない屋外などにバイクを保管するライダーなどにとっては、自然災害でバイクが転倒してしまわないか心配かもしれません。
では、バイクが地震や台風などで転倒しないためには、どのような対策があるのでしょうか。
バイクを保管するときには、転倒対策をおこなう必要がある

昨今頻発する地震や、秋にかけて日本を襲う台風によって、屋外で保管されているバイクが転倒するおそれはゼロではありません。
自分の目の届かない所で愛車が倒れ、カウルやタンクに傷がついてしまう、そんな事態は誰しも避けたいものです。
では、バイクが地震や台風などで転倒しないためには、どのような備えができるのでしょうか。
基本的な転倒対策
まずは日常的に実践できる基本的な転倒対策がいくつか存在します。
たとえば、サイドスタンドやセンタースタンドが地面にめり込まないよう、板やスタンドパッドなどを敷くことが有効です。
この対策によって、特に土や砂利、アスファルトの軟らかい場所でスタンドが沈み込むことでバイクが転倒するリスクを低減できます。
また、坂道や傾斜地で保管する場合は、ギアを入れて駐車することで車体の移動を防止できます。
くわえて、駐車場の路面が荒れているなど、バイクが倒れやすい環境で保管する場合はタイヤの空気圧をやや下げることで接地面が広がり、バイクの安定性を高められます。
この対策では、バイクを走行させるときにはタイヤに空気を充填しなおす必要がある点に注意が必要です。
これらの方法は手軽でありながら、強風や小規模な揺れによる転倒リスクを減らす効果があります。
より効果的な転倒対策
より高い安定性を求める場合には、補助スタンドやアンカーの活用が効果的です。
補助スタンドは、サイドスタンドの反対側に設置して三点支持を作ることで、車体の安定性を大幅に向上させます。
多くの製品は工具不要で取り付け可能で、バイクのサイズや重量に合わせて選べる点も利点です。
比較的安価で効果が高く、定期的な状態確認と必要に応じた交換を行えば長期間安心して使用できるといわれています。
そして、さらに強固な固定を求める場合は、アンカーを地面に設置してバイクを直接固定する方法があります。長期間同じ場所で保管する場合に適しており、盗難防止にも有効です。
ただし、設置には地面に穴を開ける必要があるため、自己所有地や許可を得た場所でのみ実施可能です。
これらのアンカーもバイクの重量や大きさに合わせた強度のものを選ぶことが重要とされています。
台風などが来るときは、バイクを屋内に避難させるのも一手
バイクの転倒対策には上述のようなものがあります。
しかし、それでも強風や地震のときにはバイクが転倒する可能性は大きく上がるとされています。
そのため、台風の接近や大規模地震の発生など、自然災害の到来が予測される場合には、可能な限りバイクを屋内に避難させることが望ましいでしょう。
ガレージや倉庫、さらに自宅の一室などの屋根と壁で覆われた場所に保管すれば、強風や飛来物からの被害を大幅に減らせます。
保管場所でバイクが倒れていた時に確認するべきポイント

バイクの転倒対策には上述のようなものがあります。
とはいえ、いくら対策をしていても、自然災害の規模や条件によってはバイクが倒れてしまうことがあります。
その場合、どのように対処する必要があるのでしょうか。
エンジンや排気系のダメージ確認
バイクが転倒しているのを見つけたら、エンジンやマフラーといった動力系の状態を確認する必要があります。
たとえば、エンジンオイルが漏れていないか、マフラーに傷や凹みがないか、そして冷却水の漏れが発生していないかを確認することがポイントです。
衝撃による損傷は外からは分かりにくい場合もあるため、見える範囲だけで判断せず、時間をかけてオイル漏れなどの有無を確認するとよいかもしれません。
車体のダメージ確認
また、走行に直結する車体各部をチェックすることも必要です。
ハンドルに曲がりや歪みがないか、ブレーキレバーやクラッチレバーに折れや変形がないかを確認することで、バイクが安全に走行できるかを判断することができます。
さらに、シフトペダルやブレーキペダルの状態も忘れずに確認し、タイヤに傷やパンクがないかも見ておくとよいでしょう。
これらの部品に不具合があるまま走行すると、安全性に大きく影響するため注意が必要です。
外見の確認
このほか、外装の状態も確認すべき項目のひとつです。
カウルに傷や割れがないか、ミラーが曲がったり割れたりしていないかを見ます。
また、ウインカーやヘッドライトが破損していないか、点灯するかどうかも確かめる必要があります。
視認性や被視認性に関わる部分は、安全走行のためにも早めの修理や交換が望まれます。
さらに、ウインカーやヘッドライトは保安基準にも定められている部品であり、不備があると「整備不良等」という交通違反になります。
したがって、これらのチェックは法令順守の観点からも欠かせません。
まとめ
バイクの転倒対策は、愛車を守るだけでなく、周囲の安全を確保するうえでも重要です。
スタンドパッドや補助スタンド、アンカーの活用に加え、必要に応じて屋内で保管することで、地震や台風による転倒リスクを大きく減らすことができます。
また、万が一バイクが転倒してしまった場合は、速やかにバイクの状態を確認し、必要に応じて整備することが求められます。
自然災害の多い日本でバイクを楽しむためには、愛車と自身の安全を守るための備えは、早めに始めておくことが大切です。