原付バイクの年間維持費と内訳を解説!維持費を抑える方法
原付バイクは手軽で燃費が良く、通勤や街乗りに便利な移動手段として人気があります。特に50cc以下の原付一種は、取得しやすい原動機付自転車免許で利用できます。ただし、所有すると一定の維持費が必要になる点に注意が必要です。
この記事では、原付バイクにかかる年間の維持費やその内訳について詳しく解説します。また、原付一種と二種のコストパフォーマンスの比較や、維持費を抑えるための方法についても紹介します。原付バイクの購入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
原付バイクにかかる年間の維持費と内訳
原付バイクは「原動機付自転車」の略称で、当初はエンジン(原動機)を搭載した自転車として開発されました。原付バイクには50cc以下の「第一種原動機付自転車(原付一種)」と125cc以下の「第二種原動機付自転車(原付二種)」の2種類があります。うち、第一種原動機付自転車は取得が簡単な原動機付自転車免許だけで運転でき、手軽に乗れるメリットがあります。
年間240日・出勤に5km走る場合を想定した場合、原付バイクにかかる年間の維持費は、約17,000~26,000円+任意保険料です。費用の内訳は以下の通りです。
自賠責保険
自賠責保険とは、正式名称を「自動車損害賠償責任保険」と言い、自動車を運転するすべての車種に加入が義務付けられている保険です。交通事故を起こしてしまった場合に、被害者へ最低限の補償を支払うことを目的としており、強制保険と呼ばれるときもあります。自賠責保険に加入しないと、車検を受けられません。
自賠責保険の料金は、車種と保険期間によって決まります。一般原付(125cc以下)に適用される保険料は、下記の通りです。
保険契約期間 | 自賠責保険料 | 年間保険料(参考) |
---|---|---|
1年 | 6,910円 | 6,910円 |
2年 | 8,560円 | 4,280円 |
3年 | 10,170円 | 3,390円 |
4年 | 11,760円 | 2,940円 |
5年 | 13,310円 | 2,662円 |
出典:損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表 2024年1月届出」
保険契約期間5年で加入した場合、排気量にかかわらず原付バイクの年間の保険料は2,662円となり、契約期間が長いほど年間の保険料は割安になります。なお、国が定めた共済制度であるため、どの保険会社で加入しても料金は変わりません。
軽自動車税
軽自動車税とは、軽自動車を所有している方に対して、毎年4月1日から3月31日までの1年間の期間、市区町村が課税する地方税のことです。軽自動車税の税額は、排気量ごとに決まっています。
車種区分 | 税率 | |
---|---|---|
原動機付自転車 | 50cc以下 | 2,000円 |
50cc超90cc以下 | 2,000円 | |
90cc超125cc以下 | 2,400円 |
出典:総務省「平成28年度から軽自動車税の税率が変わります」
軽自動車税の納期限は5月末です。納期限までに納付しないと、延滞金が課税されるため注意が必要です。
ガソリン代
原付バイクのガソリン代は、燃費や走行距離によって大きく変動します。原付バイクの一般的な燃料タンク5Lの場合、ガソリン代174.8円/L(2024年5月20日時点)だと、満タンで874円です。
今回は、モデルケースとして、以下の条件を仮定してガソリン代を計算してみましょう。
- 排気量50㏄の原付バイクと125ccの原付バイク
- 年間走行距離1,200km(片道5km×年間240日間使用)
- 50ccの原付バイクは燃費60km/L、125ccの原付バイクは燃費50km/L
- ガソリン代174.8円/L
50㏄原付バイク年間ガソリン代=1,200km÷60km/L×174.8円=約3,496円
125cc原付バイク年間ガソリン代=1,200km÷50km/L×174.8円=約4,195円
片道5kmの通勤や通学で、240日間毎日原付バイクを使用した場合、年間のガソリン代は50㏄が約3,496円、125ccが約4,195円です。また、燃費の良い車種を選び、安全運転を心がけ、定期的なメンテナンスを行うことでも、ガソリン代を抑えられます。
メンテナンス代
エンジンオイルの交換費用や各種パーツの点検費用をはじめとしたメンテナンス代も、元付バイクの維持費に含まれます。
エンジンオイルは、新車で購入した場合は納車1か月後もしくは1,000kmで初回の交換を、以降は半年から1年ごと、もしくは3,000km程度を目安に交換するのが一般的です。オイル交換の費用は、50cc以下の原付バイクの場合約1,000~1,500円、125cc以下の場合1,500~3,000円が相場です。
また、原付バイクは車検が必要ないものの、定期点検は通常のバイクと変わらず必要になります。ブレーキやバッテリーの点検や交換にかかる費用相場は、約2,000~5,000円です。
任意保険料
任意保険と呼ばれる自動車保険は、自賠責保険ではカバーしきれない部分を補償してくれます。自賠責保険とは異なり、加入強制ではありません。しかし、万が一事故を起こしてしまった場合、相手に支払う損害賠償金を補償してくれるため、加入しておくことをおすすめします。
原付バイクの任意保険料の相場は年間約10,000円~90,000円と金額の差が大きく、保険会社や契約内容によって保険料は大きく異なります。見積もりサイトなどを利用して、保険料を試算してみるとよいでしょう。
駐車場代
自宅に原付バイクを置くスペースがない場合は、駐車場を確保する必要があるため維持費が発生します。マンションなどに住んでいる場合は、駐車場代がかかるケースが多いでしょう。
原付バイクの駐車場代は、月額約3,000~10,000円が一般的な相場です。地方と比較すると都市部は、駐車場代が高額になる傾向があります。また、屋内・屋外駐車場や防犯カメラの設置など駐車場の設備によっても料金は異なります。自宅にスペースがない方は、事前に確認しておくと安心です。
原付一種と原付二種でコスパ最強なのはどっち?
原付一種と原付二種のコストパフォーマンスは、自賠責保険料や税金面で見れば400円しか変わりません。
原付一種と原付二種の自賠責保険料は、排気量に関係なく同額です。また、軽自動車税に関しては、原付一種が2,000円、二種が2,400円です。ガソリン代やメンテナンス代など、車両のスペックや普段の使い方が影響する金額がランニングコストに大きく影響すると言えます。したがって、一種・二種で選ぶのではなく、燃費やメンテナンスのしやすさを基準にするとよいでしょう。
なお、法定速度が時速30kmの原付一種に対し、原付二種は時速60kmまで走れます。原付二種は利便性が高い反面、万が一事故を起こした際の被害が大きい点を理解しておくことが大切です。
原付一種と原付二種は、自分の生活スタイルや利用方法に合わせて選ぶのがおすすめです。
原付バイクの維持費を抑える方法
原付バイクを保有していると、意外に維持費はかさむものです。下記を参考にして、原付バイクの維持費を賢く抑えましょう。
・自賠責保険は長期で加入する
原付バイク維持費の中で最も大きな割合を占めるのが自賠責保険料です。自賠責保険は加入義務があるため、節約できません。しかし、加入期間を長くすることで、1年あたりの保険料を節約できます。
・燃費向上でガソリン代を節約する
原付バイクの燃費は、車種や走行スタイルによって大きく異なります。燃費向上のためには、急発進・急ブレーキを避け、安全運転を心がけましょう。また、エンジンオイルの交換などの定期的なメンテナンスを行うことで、エンジンの調子を整え、燃費を向上できます。
・任意保険を見直す
任意保険は保険会社や契約内容、付帯サービスによって保険料が大きく変わります。定期的な保険の見直しは、維持費を抑えるために有効です。特に、バイクの使用頻度が変化したときなどは、加入しているプランが最適かどうか保険内容の見直しが必要です。
上記を参考に、賢く維持費を抑えながら快適な原付バイクライフを楽しみましょう。
まとめ
原付バイクには、自賠責保険や軽自動車税、ガソリン代、メンテナンス代、任意保険料、駐車場代といった各種費用が年間にわたり発生します。特に、自賠責保険は必須のため、長期契約で費用を抑えることが大切です。
ほかに、燃費の良い運転を心がけ、定期的なメンテナンスを行えば、ガソリン代やメンテナンス代を節約できます。また、任意保険は保険会社や契約内容によって金額が大幅に変わることから、保険会社を選びなおしたりプランを見直したりすれば、コストを抑えられます。