125ccのバイクは「原付」なのか?
125ccのバイクを原付と呼ぶ人もいれば、原付なのは50ccのバイクだけだという人もおり、分類がややこしくなっています。
本記事ではエンジン排気量が125ccのバイクは「原付」なのかどうか、ふたつの視点からみて解説します。
道路運送車両法において125ccのバイクは「原付」の仲間
125cc以下のバイクについて、道路運送車両法での区分は「原付」と定められています。
125cc以下のバイクは排気量別に次の2種類の原付に区分されます。
50cc未満のバイク | 第一種原動機付自転車 |
51ccから125cc未満のバイク | 第二種原動機付自転車 |
そのため、道路運送車両法が関係する手続きなどにおいて、125ccのバイクは50ccのバイクと同じような扱いをうけます。
原付一種と同様、登録等の手続きは役所でおこなう
125cc以下のバイクの登録等は、50cc以下のバイクと同様で市町村役所で手続き可能です。
登録に必要なものは、車名(ホンダなどのメーカー名)、車体番号(例:AZ60‐1569など、自賠責書類に記載orバイク車体に刻まれている)、免許証などの身分証明書の3点です。
125cc以下のバイクの登録手続きについては、次のとおりです。
- 役所・市民税課に行く
- 軽自動車税申告書兼標識交付申請書に記載・提出する
- ナンバープレート交付・取り付ける
任意保険では原付用のファミリーバイク特約が使える
125cc以下のバイクの任意保険では、原付用のファミリーバイク特約が使えます。
原付用のファミリーバイク特約とは、自動車の任意保険に付帯できる特約のことです。
原付用のファミリーバイク特約は、自動車の任意保険と125ccのバイク任意保険が一つの保険としてセットになっています。
原付用のファミリーバイク特約の大きなメリットは、バイクだけの単独加入より保険料が安くなることです。
自賠責保険だけでカバーできない相手がある事故・単独自損事故など万が一のために原付きファミリーバイク特約を活用しましょう。
軽二輪、小型二輪と異なり自動車重量税が不要
125cc以下のバイクは原付一種とおなじく、自動車重量税の納付が不要です。
自動車重量税と間違いやすい軽自動車税の税額などの違いは、以下の通りです。
項目 | 自動車重量税 | 軽自動車税 |
税金の種類 | 国税 | 地方税 |
税支払いの頻度など | 登録時or経過年数に応じて | 毎年一回 |
50cc以下・51~90ccのバイク | 該当なし | 2000円 |
91~125ccのバイク | 該当なし | 2400円 |
126~250ccのバイク(軽二輪) | 4900円(新車登録時) | 3600円 |
251cc以上のバイク(小型二輪) | 5700円 | 6000円 |
道路交通法では125ccのバイクは「普通二輪」の仲間
道路交通法において、50ccを超え400cc以下のバイクは普通二輪に分類されるため、125ccのバイクは「普通二輪」のカテゴリーに入ります。
125ccのバイクについて、道路交通法での法定速度などのルール・特徴などを原付一種・中型~大型バイクと比較しながら表にまとめてみました。
50cc未満のバイク | 125ccのバイク | 中型~大型バイク | |
---|---|---|---|
一般道の法定速度 | 30km/h | 60km/h | 60km/h |
二人乗り | NG | OK | OK |
二段階右折 | 必要 | 不要 | 不要 |
道路交通法違反の反則金は普通二輪、大型二輪と同じ(原付とは異なる)
125ccのバイクの道路交通法違反の反則金は、普通二輪・大型二輪と同じであり、50cc以下の原付のものとは金額が異なります。
道路交通法において、反則金は「原付」「二輪」「普通」「大型」という車種ごとに定められており、普通二輪の一種に分類される125ccのバイクは「二輪」の反則金が適応されることになるのです。
125ccのバイクと普通二輪・大型二輪の違反点数・反則金について、次の例は同じ違反点数・罰金です。
- 免許取得1年以内の二人乗り違反(違反点数2点・反則金1万2000円)
- 一時停止無視違反(違反点数2点・反則金6000円)
125ccのバイクの主な反則金について、50ccのバイクと比較してみました。
交通違反の種類 | 125ccのバイク | 50ccのバイク |
一時停止無視 | 7000円 | 5000円 |
速度超過(15以上20未満) | 9000円 | 7000円 |
交通違反の反則金については税金の不納付などと違い、刑事罰処分の対象です。
教習所での免許取得が必要(普通二輪小型)
学科試験だけで免許の取得が可能な50ccの原付と異なり、125ccのバイクに乗るための「普通二輪(小型限定)」免許を取得するには、実技試験と学科試験の両方の合格が必要です。
普通二輪小型の免許取得条件などについて、表にまとめました。
項目 | 条件など | 備考 |
年齢 | 16歳以上 | |
免許の種類 | AT限定orAT限定なし(MT) | MTとはギア(変速機)を使うクラッチ操作が必要 |
免許取得場所 | 教習所or免許試験場 | |
AT限定 | 技能教習8時間 | 運転操作が簡単 |
AT限定なし(MT) | 技能教習10時間 | ギア操作の楽しみがある |
125ccのバイクの新しい法改正について
2025年11月までに施行が予定されている法改正によって、50cc以下のバイクと同じように道路運送車両法上は「原付一種」、道路交通法上「原付」に分類される125cc以下のバイクが誕生する予定です。
このバイクは新基準原付と呼ばれ、排ガス規制によって生産継続が困難となる50ccの原付に代わって新たな移動手段となる見通しです。
新基準原付とは最高出力を4kw(5.4馬力)以下に制限したバイクのことで、従来の原付免許で運転できます。
新基準原付の条件などについては次のとおりです。
- 排気量125cc以下
- 最高速度30km/h
- 二人乗りNG
- 要二段階右折
新基準原付導入の背景には新しい排ガス規制の導入があり、メーカーは従来の50cc以下の原付バイクを生産中止します。
50cc以下の原付バイクが生産中止になると、いずれ通勤、通学に原付を使用することができなくなってしまい、多くの人が不便な思いをすることになります。
そのようなことがないよう、排ガス規制に対応することが可能な125ccエンジンの出力を制限し、新基準原付として生産することになったのです。
まとめ
125ccのバイクは「原付」なのか?について道路運送車両法・道路交通法などの観点から解説しました。
125ccのバイクの分類は法律によって異なり、道路運送車両法においては原付二種、すなわち原付の仲間に分類され、道路交通法においては小型の普通二輪、すなわち普通二輪の仲間に分類されます。
125ccのバイクは、車体価格・維持費・免許取得の手軽さ・取り回しが楽であるなどメリットが多いバイクです。
ライフスタイルに合った125ccのバイクを見つけ、仕事・遊びなどさまざまなシーンで125ccのバイクを活用しましょう。