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サーキットを飛び出したモンスター! カワサキZX-10R【バイク買取調査隊】

「ZX-10R」は、カワサキの1000 ccクラスのスーパースポーツモデル「ZX-9R」の後継モデルとして、2004年に発売開始された。以降もモデルチェンジが重ねられ、パワーとコントロール性を研ぎ澄ましている。ライダーが最高のパフォーマンスを楽しめるよう、最新の電子制御が惜しみなく投入されており、ビギナーからエキスパートまで幅広く対応してくれる。2012年モデルは性能を引き継ぎ、カラーリングのみの変更である。

ZX-10Rの車種プロフィール

「ZX-10R」に搭載されているエンジンは、4ストローク水冷DOHC4バルブ直列4気筒998cc、内径×行程 / 圧縮比 76.0ミリ× 55.0ミリ/ 13:1、最高出力200馬力/13,000回転、最大トルク112 N·m (11.4 kgf·m) /11,500回転である。モンスター的なパワーユニットを極太のアルミフレームが包み込んでおり、最新鋭のスーパースポーツらしい構成となっている。

車両の特徴

ZX-10Rが本領を発揮できる場所はサーキットだが、一般ライダー向けに、公道でのインプレッションに特化したい。まず、高速道路を流している限りでは、エンジンは扱いやすい印象を受ける。スーパースポーツでありながらアクセルワークに神経を使うことなく、ツーリングバイクのように穏やかな走行が楽しめる。パワーが200馬力もあるため、すぐに速度が上がっていくが、ドカンとパワーが出るのではなく、二次曲線的にパワーが盛り上がってくるので、大胆にアクセルをひねっても恐怖心を感じることはない。全体的にバランスが良く、コーナーに目線を向けるだけで、マシンが曲がってくれる。

足付き

全長×全幅×全高は、2,075ミリ× 715ミリ× 1,115ミリ、車両重量198kg。シート高は813ミリで、全体的にコンパクトな印象を受ける。足付きは身長170センチメートルのライダーが、片足立ちで踵が着く程度。

走り

高回転型のエンジンはとても力強く、 2 速か 3 速ぐらいがツーリングペース。シフトチェンジをサボるようなツーリング的な使い方にも十分使える懐の深さを感じる。6 速でアクセルをひねっても加速するなど、底知れないパワーがある。

足回りもエンジンのパワーに負けることなく高性能で、リアは路面に根が生えたかのようにグリップしてくれる。フロントフォークは、倒立テレスコピック式を採用。しなやかで、乗り心地がよく、踏ん張りも効くなど、文句のつけようもない。

電子制御関係は、その当時に考えられる最新技術をフル装備している。スピードメーターはデジタルの液晶タイプを採用。ドリップコンピューターといっても差しつかえないぐらい多機能なメーターになっている。ライディング中も見やすく配置され、必要な情報が一目で得られる。

オーリンズのステアリングダンパーを装着。レースマシンと変わらないハンドリングを追求するとともに、路面のアンジュエーションや微妙な凹凸、ギャップなどを拾った時に受ける衝撃を緩和している。レーシーな機能を求める一方で、使いやすい形状の荷かけフックを装備するなど、ツーリングユースも見越しているところがカワサキらしい。

マスの集中によってライダーの着座位置が車体の中心にあるので、ギャップを拾ったとしても振られることがない。視界もブレずコントロール性は高い。ブレーキはフロント⌀310 油圧式ダブルディスク、リア⌀220 油圧式シングルディスクで、指 1 本でコントロール可能。SHOWA製のビッグピストンフロントフォークと相性がよく、フロントブレーキだけでもしっかり減速できる。

ZX-R10Rは、スーパースポーツという特性上、軽くアクセルをひねっただけで驚異的なスピードに到達する。このバイクをライディングする際は、とてつもないモンスターであることを意識して、安全に走行してほしい。

※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります

査定士のコメント

モトメガネ編集部

2004年に登場したZX-10R。モデルチェンジを繰り返し2021年には八代目のモデルが登場した。年を追うごとに新しい技術が盛り込まれていくスーパースポーツなので、高年式の方が高価買取が見込まれる。

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