
ナンバープレートがなくてもバイクは売れる?状況別の必要書類と注意点を解説
バイクには必ず「車台番号」と呼ばれる固有の番号が刻印されています。
これは、目につきづらい部分に刻印されていますが、判読できなくなると、バイクが売却できなくなる可能性があるようです。
では、「車台番号」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
車台番号はバイクの個体を証明する、売却までなくてはならない数字

バイクに刻まれている「車台番号」は、ふだん目にする機会が少ないものです。
しかし、車台番号はバイクの個体を証明する、非常に重要なものです。
では、具体的にどのような役割があるのでしょうか。
車台番号はバイクの名前のようなもの
車台番号は、製造の時にメーカーがフレームに打刻したり車検証に記載したりされる、バイクの個体ごとに異なる番号です。
車台番号の刻印はフレームにすることとされていますが、詳しい位置はメーカーやモデルによって異なります。
いわば、車台番号はその個体を証明する名前のようなものといえます。
この番号はバイクをほかの個体から識別する重要な番号であり、さまざまな場面で使われています。
たとえば、車検などの法的手続きに車台番号が求められるほか、自動車保険でも保険で守られるバイクを明確にするために求められることが多いです。
そして、多くの場合売却のときにも確認されます。
中古市場では、車台番号が読み取れない場合には査定が困難となり、買取を断られるケースもあるようです。
削れていたときは「職権打刻」で打ち直せる
上述のように、車台番号とその刻印はバイクにとって非常に重要なもので、常に判読できるように保存しておくことが求められます。
しかし、フレームの腐食などによって判読不能になってしまうこともあります。
このほか、万が一盗難されてしまった場合、車台番号が犯人によって削られてしまうケースもあるといわれています。
では、腐食や盗難被害によって愛車の車台番号が削れてしまった場合、どのように対処するとよいのでしょうか。
実は、もし車台番号が摩耗や損傷によって読めなくなってしまった場合でも、運輸支局の「職権打刻」によって番号を再度刻印してもらえる制度があります。
これは、正当な理由により車台番号が消失した車両に対し、所定の手続きを経て新たな識別番号を打刻される方法です。
申請には必要書類の提出や車両の現物確認などが求められ、状況によっては時間を要する場合があります。
しかし、この職権打刻を受ければ、再び登録および売却の手続きが可能となります。
車台番号が判読できないことに気づいた場合は、早めに最寄りの運輸支局へ相談することが推奨されています。
こうした制度を知っておくことで、万が一の際にも落ち着いて対応できます。
車台番号がないバイクは部品ごとに売るのが無難
車台番号が判読不能となったバイクは、売却の際に大きなハードルを抱えることになります。
たとえばフレームが腐食し、番号が完全に消失している場合や、事故や盗難などで番号が削り取られているような場合には、名義変更や登録自体がおこなえない可能性があるためです。
また、車台番号が削られたバイクは盗難などの犯罪に関わったバイクとして警戒されることもあるといわれています。
こうした状態の車両を無理に丸ごと売却しようとすると、手続きが進まないだけでなく、トラブルにつながるおそれもあります。
そのため、車台番号の確認ができないバイクは、買取業者に持ち込んだとしても大幅な減額、または買取拒否という対応が取られるケースもあるといわれています。
こうした事情から、車台番号が完全に消失してしまっているバイクについては、部品単位での売却に切り替えるのが現実的な対応となります。
たとえばエンジン、ホイール、マフラー、メーター、サスペンションなどの主要部品であれば、中古パーツとしての需要も期待できます。
とくに純正部品や生産終了モデルのパーツは、市場価値が保たれている場合もあり、適切なルートであれば一定の金額で引き取ってもらえる可能性があります。
車台番号が読み取れないまま保有し続けても、登録や譲渡ができず、資産としての活用が難しくなる場合があるため、そうなる前に状態を確認し、早めの判断を行うことが重要です。
再使用が難しいと判断されたフレームについては、適切に処分を行うことが求められます。
スムーズな売却のためにも、日ごろからフレームや刻印の状態を確認し、サビや損傷に気を配ることが望まれます。
ナンバープレートは無くても売却に支障なし!ただし注意点も

上述のように、バイクの車台番号は非常に重要であり、破損していた場合買取などに支障をきたすこともあります。
ところで、バイクの番号で頭に浮かぶものといえば、もうひとつ「ナンバープレート」も挙げられます。
このナンバープレートは、車台番号と違って取り外しが可能なため、紛失や盗難といったトラブルが起こることも珍しくありません。
また、車台番号と違って制度的にナンバープレートを返納することもあります。
では、このナンバープレートが盗難されたり、紛失したりした場合、売却には支障が出るのでしょうか。
ナンバープレートがない愛車の売却に必要な書類
バイクのナンバープレートは、車両の登録情報を示す重要な標識です。
しかし、車台番号とは異なり、ナンバープレートがない状態であっても、バイクの売却は基本的にできるといわれています。
ただし、ナンバープレートがなくなった経緯によって、それぞれ異なる書類や手続きが売却の前に必要になることが多いです。
まず、廃車手続きが完了しており、ナンバープレートを正式に返納しているケースでは返納したときに受領する書類が必要になります。
具体的には、売却するバイクが125cc以下の場合は「廃車証明書」、126cc以上250cc以下であれば「軽自動車届出済証返納確認書」、そして251ccを超える場合には「自動車検査証返納証明書」が必要になります。
また、ナンバープレートが盗難や紛失によって失われた場合でも、それを発見したときに適切な処理をすることでスムーズに売却することが可能な場合が多いです。
まず、バイクの所有者はナンバープレートの盗難や紛失を発見した場合、速やかに最寄りの警察署または交番に出向き、遺失届を提出する必要があります。
そして、買取の時に買取業者に「遺失届を提出した交番や警察署名」「受理番号」と「遺失届を提出した年月日」を伝えることが重要です。
つまり、適切な書類の整備と、警察や自治体への連絡をしっかりとおこなうことで、スムーズに売却を進めることができるでしょう。
ナンバープレートがない車両を売却する時に注意したいこと
このように、ナンバープレートがないバイクも問題なく売却手続きを行えます。
しかし、売却するバイクにナンバープレートがない場合、搬送するときに注意する必要があることがあります。
まず、ナンバープレートが外れている車両では、たとえ走行可能な状態であっても、道路交通法上、公道を走らせることはできません。
そのため、買取業者まで自走して売却することは難しく、利用するサービスを検討する必要があります。
このような場合、出張買取などのサービスを利用するのが無難だと考えられています。
また、売却されたバイクを搬送するとき、買取業者は積載車両や専用機材を使用して、バイクを物理的に運び出す必要があります。
この際、平地であれば問題にならないこともありますが、バイクの保管場所がアパートの2階や狭い通路の奥など、トラックの接近が難しい場所である場合には、搬出作業に制約が出る場合があります。
こうした事情もあり、買取を依頼する際には、ナンバープレートの有無を事前に伝えておくことが重要です。
加えて、バイクの保管場所の状況や、搬出ルートに段差・階段などの障害があるかどうかもあわせて伝えることで、買取業者側も適切な準備を整えることができます。
ナンバープレートの有無は、単なる登録情報の問題にとどまらず、実際の売却作業の段取りにも影響する要素となるため、見落とさずに対応しておくことが求められます。
まとめ
このように、バイクの「車台番号」は、単なる識別記号ではなく、バイクの個体を証明し、売却できるか否かにまで関わる重要な情報です。
腐食や盗難によって判読できなくなった場合は、「職権打刻」によって再刻印できる制度がある一方、完全に消失してしまっている場合には部品ごとの売却が現実的な選択肢となることもあります。
また、ナンバープレートがないバイクについても、廃車手続き済みの証明書や遺失届の提出など、状況に応じた書類を準備すれば売却自体は可能ですが、手続きや搬出に手間がかかる場合があります。
日常的な点検でバイクの状態を確認しておくこと、また万が一のトラブルに備えて必要な書類の取り扱いに注意することが、スムーズな売却と安全な資産管理につながるといえます。