
過走行じゃないのに損する?年式のわりに走行距離が短いバイクが査定で不利になる理由
バイクを所有している人にとって、売却時の査定額を左右する大きな指標の一つが「走行距離」です。
一般的には、走行距離が伸びれば伸びるほど、各部品の消耗や経年劣化が進んでいると判断され、査定額は下がる傾向にあります。
そのため「走行距離が少なければ少ないほど、高く売れるはずだ」と考えるオーナーも少なくありません。
しかし、実は「年式のわりに走行距離が極端に短い」バイクには、思わぬ懸念点がある場合があります。
では、走行距離が極端に短いバイクでは、どのような点に注意が必要なのでしょうか。
年式のわりに走行距離の少ないバイクを売るときの注意点

走行距離が短いバイクは、一見するとエンジンや足回りの消耗が少なく、非常に状態が良い「極上車」のように思えます。
売却を検討しているオーナーも「あまり走っていないから、きっと良い値段がつくだろう」と期待を寄せるものです。
しかし、中古バイクの査定においては、単に数字が少ないことだけが評価されるわけではありません。
極端に走行距離が短い場合、査定士やメーカー系販売店の担当者は「長期間、動かされずに放置されていたのではないか?」という疑念を抱くことがあります。
そのため、年式のわりに走行距離が少ないバイクを持っている場合は、通常以上に入念なメンテナンスが求められることがあります。
バイクを長期間放置した場合に気を付けるべきポイント
実は、バイクにとって「走らせすぎ」と同じくらい、あるいはそれ以上にダメージを与えるのが「長期間の放置」なのです。
まず挙げられるのが、バッテリーの放電です。バイクは乗っていなくても微弱な電気を消費しているため、長期間動かさないとバッテリーが上がり、再始動ができなくなります。
さらに深刻なのが、金属部分のサビや燃料系の腐食です。
例えば、ガソリンタンク内に結露が生じることでサビが広がり、それが燃料ラインを通ってエンジン内部にまで悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、劣化したガソリンはドロドロとした粘り気を持つようになり、キャブレターやインジェクターを詰まらせる原因にもなります。
このような放置による部品の腐食や劣化は、外観が綺麗であっても査定時に厳しくチェックされるポイントです。
走行距離が短くても、エンジンがかからない、あるいは異音がするといった不調があれば、当然査定額は大幅にダウンしてしまいます。
長期保管時にバイクを傷めないために
愛車の価値を維持し、寿命を延ばすためには、日常的なメンテナンスと適切な保管が欠かせません。
最も効果的なのは、週末の趣味としてだけでなく、日常的な移動手段として愛車を走らせることです。
定期的に走行することでエンジンオイルが各部に行き渡り、金属のサビやタイヤなどのゴム製品の劣化を防ぐことができます。
また、もし長期間乗れないことが分かっている場合は、保管環境にも細心の注意を払うことが重要です。
可能であればガレージやコンテナなどの屋内に保管することで、雨風や直射日光による経年劣化を防ぐことができます。
そして、屋外での保管を余儀なくされる場合でも、厚手のバイクカバーでしっかりと覆うことで、天候やホコリから車体を保護できます。
このほか、タイヤの空気圧不足や変形を防ぐために、センタースタンドを活用して接地面への負荷を分散させたり、定期的にタイヤを回転させたりすることも有効な対策です。
もし自分での管理が難しい場合は、メーカーの販売店が提供している車両預かりサービスなどを活用するのも一つの手であり、プロの目による点検を継続的に受けることで、売却時にも適切に管理されていた車両としての信頼を得やすくなります。
走行距離だけじゃない、査定の際にみられるポイント

年式のわりに走行距離が少ないバイクであっても、前述のような見落としがちなポイントがあるため、日頃からの適切なケアが求められます。
そして、バイクの売却においては走行距離やメンテナンスの状況以外にも、さまざまな履歴が厳しくチェックされます。
メーターの交換歴
バイクはクルマに比べて計器類が露出していることが多く、構造も比較的シンプルなため、かつてはメーターの交換や走行距離の操作といった不正が問題となった時期がありました。
そのため、年式に対して走行距離が不自然に短いバイクについては、メーターの改ざんや交換歴がないかの検査がされることもあります。
現在では自動車公正取引協議会による適正表示が推進されており、メーターの数値が車検証や過去の履歴と食い違っている場合は減算歴車として扱われます。
たとえ不慮の転倒などでメーターを交換しただけであっても、それを証明できる公的な記録がなければ、走行距離に不安を持つ個体と見なされ、査定額に大きな影響を及ぼします。
また、カスタムなどで社外メーターに変更する場合も同様であり、後に査定額を下げないためには、メーカーの販売店などで走行メーター交換記録シールを発行してもらい、車台番号と紐付けられた確実な記録を残しておくことが不可欠です。
事故歴やフレーム修復歴
そして、走行距離の多寡にかかわらず、バイクの骨格であるフレームのダメージは査定において最も重視されるポイントの一つです。
交通事故や転倒によってフレームを修復した履歴があるものは修復歴車扱いとなり、価値は大きく損なわれます。
プロの査定士はフレームの塗装状態や溶接跡を細かく確認し、修復の有無を見極めます。事故を起こしたバイクは、修理をして見た目を整えても全体のバランスが崩れたり不具合が起こりやすくなったりするため、厳しい目が向けられます。
自分自身とバイクの価値を守るためにも、常に安全運転を意識し、車体に強い衝撃を与えるような無理な走行を避けることが、結果として高価査定に繋がります。
まとめ
年式のわりに走行距離の短いバイクは、保存状態によっては内部に深刻なトラブルを抱えていることもあり、必ずしも高評価に直結するとは限りません。
売却時に期待通りの査定額を引き出すためには、走行距離の少なさに甘んじることなく、日常的なメンテナンスや適切な保管を継続することが重要です。
また、メーター交換の履歴を正しく証明できるようにしておくことや、フレームにダメージを与えない丁寧な扱いを心がけることも忘れてはなりません。
愛車のコンディションを正しく把握し、将来の売却を見据えたケアを続けていく必要があります。








