
冬に気を付けたいバイクのバッテリーの「電圧降下」
冬は路面状況や装備ばかりに意識が向きがちですが、実はバイク内部でもトラブルの芽が生まれやすい季節です。
そして、とくに気を付けたいのが、低温によって進行しやすくなるバッテリーの「電圧低下」です。
エンジン始動時にもたつきを感じたり、走行中に灯火類が心もとなく感じたりする場合、それは寒さが引き金となった不調のサインである可能性があります。
冬に注意したいバイクのバッテリー不調 電圧降下が引き起こすトラブルとは

冬の寒さは、ライダーの体だけでなくバイクにもさまざまな影響を与えます。
なかでも注意したいのが、バッテリーの性能低下によって起こる「電圧降下」です。
ライトが暗く感じたり、セルの回りが弱くなったりといった変化は、冬ならではのトラブルの前兆かもしれません。
では、冬に起こりがちなバッテリーのトラブルはどのようなものなのでしょうか。
冬場にバッテリー上がりが起こりやすくなる理由
冬場は気温の低下により、バイクのバッテリー内部で起こる化学反応が鈍くなります。
その結果、十分な電力を供給できず、電圧が下がりやすくなるのが特徴です。
また、寒い時期はバイクに乗る機会そのものが減りがちで、走行による充電量が不足しやすくなります。
そして、電熱グローブや電熱ベスト、グリップヒーターなどの電装品を多用すると、オルタネーターの発電量を電力消費が上回ることで、さらに電圧低下を招くことがあります。
このような要因が重なると、バッテリーの電圧が低下し、より悪化するといわゆる「バッテリー上がり」に発展することもあるため注意が必要です。
電圧降下で現れやすいサイン
バッテリーの電圧が下がってくると、バイクにはさまざまな変化が現れます。
たとえば、エンジンのかかりが悪くなる、セルモーターの回転が弱く感じるといった症状があります。
そのほかにも、ヘッドライトが暗くなる、メーター内のLED表示が鈍くなる、ウインカーの点滅間隔が長くなる、ホーンの音が小さくなる、あるいは鳴らなくなるといった、電装系全般の不調が見られることがあります。
こうした症状に気付いた場合、バッテリーが電圧降下を起こしている可能性が高いと考えられます。
バッテリーの電圧が下がったときに取るべき対処と予防策
では、バッテリーの電圧が下がってしまった場合は、どのように対処すればいいのでしょうか。
まず、まだエンジンがかかる状態であれば、走行によってバッテリーを充電するのがひとつの方法です。
ある程度の距離と時間を走り、バッテリーにしっかりと充電される状態を作ることが重要です。
一方で、セルが回らずエンジンが始動しない場合は、整備工場やバイクショップでバッテリーを充電してもらう必要があります。
また、バッテリーの一般的な寿命は2〜3年とされており、使用年数が長い場合は、充電では改善せず交換が必要になるケースも少なくありません。
このほか、バッテリーは使用していなくても自然放電が進むため、長期間放置すると電圧が低下し、再始動できなくなることがあります。
そのため、長期保管を前提とする場合は、バッテリーを車体から取り外して保管するのも有効な対策です。
取り外したバッテリーは定期的に充電し、電圧を維持しておくことで、再使用時のトラブルを防ぎやすくなります。
冬のバイクを守るために知っておきたい基本ポイント

このように、バイクのバッテリーは冬の寒さなどが原因で調子を悪くすることがあります。
そして、冬にバイクを維持するときに気を付けた方がよい点はバッテリーだけではありません。
冬場でもバイクに乗り続ける場合に注意したい車両管理と走り方
冬場にバイクを使い続ける場合、バッテリーだけでなく、エンジンオイルやタイヤなど、複数の部位に気を配る必要があります。
気温が下がるとバイクの各部は本来の性能を発揮しにくくなり、普段は気にならない部分がトラブルにつながることもあります。
まず注意したいのがエンジンオイルです。
低温環境ではオイルの粘度が高くなり、エンジン内部での循環が遅れやすくなります。
そして、その状態で急に高回転まで回してしまうと、エンジンに余計な負担をかける原因になります。
近年のインジェクション車は始動性が高いものの、始動直後はアクセル操作を控えめにし、数分間はエンジンを温めながら走行することが望ましいといえます。
また、冬場に短距離走行を繰り返すと、エンジン内部で発生した水分が十分に蒸発せず、エンジンオイルが白く濁る「乳化」が起こることがあります。
乳化したオイルは潤滑性能が低下し、エンジン内部の摩耗を早める原因になります。
これを防ぐためには、一度の走行で30分以上を目安に走り、エンジン内部の水分をしっかり蒸発させることが重要です。
さらに、冬はタイヤの状態にも注意が必要です。
低温になるとタイヤゴムは硬くなりやすく、グリップ力が低下します。
加えて、空気圧は自然に低下するため、定期的に空気圧を確認し、適正値を維持することが安全面でも重要になります。
このように、冬でもバイクを使う場合は、走り方や点検の意識を少し変えることで、車両への負担を抑えやすくなります。
日常的に状態を確認しながら使い続けることが、コンディション維持につながります。
冬場にバイクへ乗らない場合に意識したい保管方法とメンテナンス
冬場にバイクへ乗らない期間が続く場合は、保管方法によって車体コンディションに差が出やすくなります。
とくに注意したいのが、エンジン内部と金属部分の劣化です。
長期間エンジンを動かさない状態が続くと、エンジンオイルの劣化が進みやすくなります。
そのため、冬季保管に入る前にエンジンオイルを交換しておくことで、内部を比較的良好な状態で保ちやすくなります。
また、保管前に洗車を行い、汚れや水分をしっかり落としておくことも重要です。
チェーンやボルト類など錆びやすい箇所には注油を施しておくと、保管中の劣化を抑えやすくなります。
さらに、長期間同じ姿勢で置いておくとタイヤが変形することがあるため、定期的に車体を動かすなどの配慮も有効です。
こうした基本的なケアを行っておくことで、次のシーズンも安心して乗り出しやすくなり、将来的な売却時にもプラスに働くことがあります。
まとめ
冬の寒さは、バッテリーの電圧低下をはじめ、バイクにさまざまな影響を及ぼします。
日頃から適切なメンテナンスを行い、コンディションを維持しておくことで、冬場のトラブルを減らすことにつながります。
また、バイクを良好な状態で保っておくことは、将来的に売却を検討する際にもプラスに働くことがあります。
冬こそバイクの状態を見直し、大切な愛車と長く付き合っていきたいところです。








