バイク売却時に自賠責保険の手続きは必要？解約・買上げについて解説

バイクを購入する際は、自賠責保険に加入する必要があります。では、バイクを売却するとき、自賠責保険はどのように扱えばよいのでしょうか。バイク売却時の自賠責保険の扱いについては、バイクの排気量によって対応が異なるため注意が必要です。

当記事では、バイク売却時の自賠責保険の手続き有無を解説するとともに、売却によって自賠責保険の払戻金を受け取る方法などを解説します。また、自賠責保険の期間が残っている場合に、買上げしてもらう方法についても確認しましょう。

そもそもバイクの自賠責保険とは、バイクの所有者が必ず加入しなければならない強制保険です。バイクの事故で他人にケガを負わせたり死亡させたりした場合に、保険金で損害を補償して、被害者を救済することを目的としています。

バイク売却時の自賠責保険は、バイクの排気量によって扱いが異なる点が特徴です。以下では、バイクの排気量を「250cc以下」「251cc以上」に分けて、売却時の自賠責保険の扱いを解説します。

バイクの排気量が250cc以下の場合、一般的に自賠責保険を解約してから売却します。購入した次のオーナーが自分の都合で自賠責保険の保険期間を定めればよいという考え方です。

バイクの排気量が251cc以上の場合は、一般的に自賠責保険を解約せずに売却します。排気量が251cc以上のバイクには車検があり、自賠責保険の保険期間と車検の更新時期を合わせることが多いためです。

理由は、車検期間が残っていても自賠責保険が切れていると無保険となり即免許停止処分の交通違反になり、バイクに乗って動かしたり運転することができないためです。

バイクをなるべく高額で売却するには、購入者にとって魅力的な条件を揃えることが大切です。結果として、排気量が251ccの場合は自賠責保険を解約しないほうがよい、となります。

バイクの自賠責保険を解約すると、自賠責保険の残存期間に応じて返戻金が受け取れます。バイクの自賠責保険の返戻金を受け取る際は、下記の手順で解約手続きを行いましょう。

以上で自賠責保険の返戻金を受け取る手続きは完了です。返戻金の振込先口座は、解約申請書の口座記載欄で指定できます。

なお、自賠責保険の返戻金は、解約時に自賠責保険の残存期間が1か月以上あることが条件です。残存期間が1か月未満の場合は返戻金の振り込みはありません。

自賠責保険の返戻金がどのくらい返ってくるかは、保険契約条件と保険の始期、さらに保険の残存期間によって変わります。

例として、保険の始期が2023年4月1日以降で、12か月契約の場合における返戻金の額は、下記の表の通りです（本州・北海道本島・四国本島・九州本島の場合）。

なお、契約時の自賠責保険料は、検査対象外軽自動車が7,100円、原動機付自転車が6,910円です。

出典：損保ジャパン「【ｉ自賠】解約したら保険料は戻りますか？」

残存期間が11か月の場合であっても、契約時の保険料に対して返戻金は半額以下となります。自賠責保険の返戻金はわずかであり、残りの有効保険期間分が多くても全額に近い額が受け取れるわけではないことが注意点です。

バイクの自賠責保険を解約するタイミングは、バイクの廃車手続きを完了して、バイクを完全に手放すときがおすすめです。バイクの売却を考えていても、バイクがまだ手元にある段階では自賠責保険を解約するべきではありません。自賠責保険を解約したバイクは、公道を走れなくなるためです。

例としてバイクを買取業者まで運ぶ際、自賠責保険を解約していると、バイクをトラックに積載して運ぶ必要があります。バイク売却にかかる手間やコストを抑えるには、バイクを完全に手放すタイミングで自賠責保険を解約しましょう。

バイク買取業者の中には、自賠責保険の残存期間分を買い取ってくれる場合があります。正確には、バイクの買取査定額に上乗せしてもらうという手法で、「買上げ」とも呼ばれる方法です。

買取業者による自賠責保険の買上げは、自賠責保険を解約する手間が省けて、かつバイクの買取金額を高められる点がメリットです。

買取業者にバイクの自賠責保険を買上げしてもらうには、まずは買取業者が買上げに対応しているかを確認しましょう。買取業者によっては買上げに対応しておらず、代わりに自賠責保険の解約サポートをしているケースもあります。

買取業者が買上げに対応していれば、売却する際に買上げの申し込みをすることで自賠責保険の買上げをしてもらえます。

また、自賠責保険の買上げをしてもらう場合であっても、自賠責保険の解約で返戻金がどのくらい返ってくるかの確認は大切です。返戻金の相場が分かると、買上げの際に査定額に上乗せしてもらう金額の交渉がしやすくなります。

自賠責保険が切れているバイクであっても、買取は問題なくしてもらえます。自賠責保険が切れていても買取してもらえる理由は、自賠責保険は後からでも加入できる保険であるためです。

自賠責保険切れのバイクであっても、バイク自体の価値がなくなるわけではありません。査定にもあまり影響はせず、自賠責保険が切れていない場合と比べて買取額が大きく下がる要因とはならないでしょう。

ただし、自賠責保険が切れているバイクは公道を走れないため、買取業者まで自分で運転して持ち込み査定してもらうことはできません。

自賠責保険が切れているバイクを買取してもらう場合は、出張買取に対応している買取業者を利用するとよいでしょう。

出張買取は、買取業者が自宅まで出張してバイクを査定・買取してくれる買取方法です。買取依頼のためにバイクを運転する必要がなく、自賠責保険が切れていても手間をかけずに売却できます。

バイクを売却する際、排気量が250cc以下のバイクに関しては、自賠責保険を解約してから売却するのが一般的です。251cc以上のバイクであれば、自賠責保険を解約せずに売却するケースが多い傾向にあります。

売却時に自賠責保険の期間が残っている場合、手続きすることで払戻金を受け取れます。ただし、残存期間によっては払戻金の額は微々たるものです。解約手続きが面倒な場合は、買上げしてくれる買取業者を検討するとよいでしょう。

自賠責保険が切れたバイクは公道を走れないため、すでに自賠責保険が切れたバイクを売却する場合は、出張買取に対応した買取業者がおすすめです。